三菱地所、ロジクロス神戸三田が竣工 自社初の特定企業入居型 配送先50店舗カバーへ
産業
2017/07/13 0:00
三菱地所(吉田淳一社長、東京都千代田区)は6日、ロジクロス神戸三田(神戸市北区)の竣工式を行った。同社として初となるBTS(特定企業入居)型施設で、京都府と兵庫県北部を中心にスーパーマーケットやホームセンター運営など総合小売業を手掛けるさとう(佐藤総二郎社長、京都府福知山市)が兵庫県南部、京都府南部、大阪府への配送拠点として13日から運用開始した。(蓮尾輝) 敷地面積2万平方メートル、鉄骨造り2階建てで、延べ床面積が1万4400平方メートル。中国自動車道・神戸三田インターチェンジから2キロの好立地で、工業団地内に位置するため24時間運営が可能。住宅街に近く、屋上には230台の従業員用駐車場を備えているため、労働力確保も容易になっている。 冷蔵・冷凍・常温の3温度帯に対応。庫内は、生鮮加工、倉庫、冷蔵仕分け・出荷――の3エリアに分かれており、倉庫エリアには調味料や菓子、飲料など常温管理品5700種類を保管する。また、ピッキングされる商品の重量チェックを行うマルチカートシステムを採用。カットにはかごが四つ付いており、作業員は同時に4店舗分のピッキングを可能にした。 加工エリアでは、生肉のスライスやカットに加え、鮮魚の切り身加工や盛り付けを行うほか、1時間当たり600キログラムの炊き上げ能力を持つ炊飯設備で寿司、おにぎりを製造する。粘着ローラー、アルコール消毒、エアシャワーを備えた従業員用サニタリールーム、鮮魚・精肉用コンテナの洗浄室も設け、衛生管理を徹底した。 デジタルアソートシステムを導入し、配送店舗ごとの仕分け作業の効率化を図る。また、35台接車可能な入出荷用のトラックバースを2方面(L字型)に配置することにより、荷待ち時間の削減につなげる。稼働直後の配送店舗数は4店舗だが、20日には15店舗へ拡大、終的には50店舗をカバーする。 三菱地所の細包憲志常務は「複数企業入居(マルチテナント)型、BTS双方に利点はあるが、BTS施設は、設計段階から顧客の事情に合わせた設備をオーダーメイドできるという大きなメリットがある。今後も力を入れていきたい」と話した。 さとうの佐藤社長は「我が社の物流施設は福知山市に集中しており、自然災害が発生した際には商品の供給が滞ることもあったため、BCP(事業継続計画)の観点から見ても、今回の物流センターは重要。既存施設との相乗効果を生かしながら活用したい」と展望を述べた。 【写真=兵庫県南部、京都府南部、大阪府への配送拠点して運用】