物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

物流大手、運賃見直し活発化 思惑通りには進まず

物流企業

2017/07/06 0:00

 物流業界で運賃・料金の見直しや値上げに向けた動きが活発になってきた。日本通運が1日から特積(積合せ)輸送の「アロー便」運賃を平均9.7%引き上げ、ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)も「宅急便」の基本運賃を10月1日から平均15%上げる。西濃運輸(神谷正博社長、岐阜県大垣市)、福山通運など特積大手も不採算貨物(荷主)を中心とした収受運賃の適正化・底上げに取り組んでいる。各社はドライバー不足などによるコスト上昇を理由に挙げるが、思惑通りに進んでいないのが実態で、引き続き、辛抱強い交渉が求められそうだ。(高木明、高橋朋宏、吉田英行、佐々木健、河野元、奥出和彦)  「業界最大手が値上げを表明したことは大変ありがたい。これを追い風として受け止め、本腰を入れていく」。日本通運の運賃値上げのニュースに接した特積大手の経営幹部は表情を緩めた。その上で、「各社とも苦しい経営環境にあることに変わりは無い。今こそ無益な運賃ダンピング競争に終止符を打つ絶好のチャンスだ」と語気を強めた。  物流業界では4年前、佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)が先陣を切る形で、運賃上げの動きが本格化してきた。日通の値上げも3年ぶりで、企業間の商品貨物輸送サービス「アロー便」に適用。待機時間や日曜・祝日配達料などの適正収受を見込む。ヤマト運輸は「新たな労働力の確保や社員の処遇改善、また、ラストワンマイルネットワークの強化を図る」(広報戦略部)ため、基本運賃改定により持続的成長と収益力強化を確実なものにしていく。  西濃運輸、福通などは、以前から不採算荷主を中心に適正運賃・料金の収受に継続的に取り組んできた。福通では「前期(2017年3月期)はおよそ1万社に是正を働き掛けた。今後も、不採算貨物の運賃是正を行い新規荷主の取り込みも並行して営業活動を進めていく」とする。また、サードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業のハマキョウレックスでは「前期は家電、日用品関連で値上げに成功したが、これからも適正運賃・料金の収受に向けて取り組む必要がある」との考えだ。  業界内には「ドライバー不足などを背景に荷主の理解が得やすくなってきた」とする事業者がいる一方で、「水面下ではダンピング競争が後を絶たない」との恨み節も聞かれる。自動車物流の大手では「一部荷主については輸送料、保管料などの値上げに成功したが、結果的には現行料金の維持」とし、総合物流大手の経営幹部は「値上げ・是正交渉の最前線が依然として厳しい実態にある。辛抱強く交渉する以外に手立ては無い」と嘆いている。 【写真=水面下ではダンピング競争が後を絶たない(イメージ写真)】





本紙ピックアップ

取適法施行、物流取引への影響大きく

 1日に中小受託取引適正化法(取適法)が施行された。従来の下請代金支払遅延等防止法(下請法)から名称を改めるとともに、発注者に対する規制を抜本的に強化する。また、新たに運送委託契約を規制対象に追加したほか、関係省庁連携に…

軽油補助金上げで運賃値引き「取適法違反の恐れ」

 国土交通省、中小企業庁、公正取引委員会は、軽油の補助金(燃油価格激変緩和措置)引き上げに伴う燃料価格下落時のトラック運送業の適正取引の徹底について、荷主関係団体、全日本トラック協会(寺岡洋一会長)を通じ、荷主や元請運送…

与党税制改正大綱、環境性能割を廃止

 自民党、日本維新の会は2025年12月19日、26年度与党税制改正大綱を取りまとめた。自動車関係諸税に関しては、取得時に課せられる自動車税などの環境性能割を3月31日に廃止。自動車重量税のエコカー減税については、燃費基…

国交省、大黒天物産に勧告

 国土交通省は2025年12月23日、トラック・物流Gメンによる集中監視月間に、長時間の荷待ちをさせた疑いで、大黒天物産(大賀昌彦社長、岡山県倉敷市)に対して勧告を行ったことを明らかにした。勧告を受けたのは今回が5社目で…

オススメ記事

取適法施行、物流取引への影響大きく

 1日に中小受託取引適正化法(取適法)が施行された。従来の下請代金支払遅延等防止法(下請法)から名称を改めるとともに、発注者に対する規制を抜本的に強化する。また、新たに運送委託契約を規制対象に追加したほか、関係省庁連携に…

軽油補助金上げで運賃値引き「取適法違反の恐れ」

 国土交通省、中小企業庁、公正取引委員会は、軽油の補助金(燃油価格激変緩和措置)引き上げに伴う燃料価格下落時のトラック運送業の適正取引の徹底について、荷主関係団体、全日本トラック協会(寺岡洋一会長)を通じ、荷主や元請運送…

与党税制改正大綱、環境性能割を廃止

 自民党、日本維新の会は2025年12月19日、26年度与党税制改正大綱を取りまとめた。自動車関係諸税に関しては、取得時に課せられる自動車税などの環境性能割を3月31日に廃止。自動車重量税のエコカー減税については、燃費基…

国交省、大黒天物産に勧告

 国土交通省は2025年12月23日、トラック・物流Gメンによる集中監視月間に、長時間の荷待ちをさせた疑いで、大黒天物産(大賀昌彦社長、岡山県倉敷市)に対して勧告を行ったことを明らかにした。勧告を受けたのは今回が5社目で…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap