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取引労働改善岡山協/実証実験、荷主にクリナップロジ 発着荷主を同一化 総労働時間に着目

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2017/06/29 0:00

 【岡山】トラック輸送における取引環境・労働時間改善岡山県地方協議会(有利隆一座長、岡山商科大学名誉教授)は、20日に開いた会合で、2017年度のパイロット事業の対象集団を承認した。クリナップロジスティクス(富田竜二社長、東京都千代田区)の津山支店(勝央町)を往路の発荷主・復路の着荷主とし、実運送を担当する同支店と佐良山運送(庄司治義社長、津山市)が、愛知県にある二カ所の配送先(復路発荷主)に荷物を届けてクリナップロジ津山支店に戻るまでの2運行で実証実験に取り組む。(江藤和博)  配送先は、リンナイ総合物流センター(愛知県小牧市)、パナソニックエコシステムズ(前田潔社長、春日井市)の2カ所。リンナイ物流センターに配送する運行では、午後5時から45分間、システムキッチンの積み込みを行い、午後8時に大阪府内の運送会社に到着して荷下ろしを完了。その後、空車のまま午後11時半に名神高速道路・尾張一宮サービスエリアに到着し、翌日午前7時45分まで休息。午前8時にリンナイに到着して、午前10時15分までにガス器具を積み終え、中国自動車道・揖保川パーキングエリアで休憩を取った上で午後2時45分にクリナップロジ津山支店に帰って、午後4時までに荷下ろしを終えている。  日通総合研究所(宮近清文社長、東京都港区)をコンサルタント会社とし、この工程における運転時間や手待ち時間、荷待ち時間の短縮に取り組む。大阪府内の運送会社は対象集団には入れていない。  クリナップロジ業務部西日本業務課の稲林正親副部長は「メーカーの立場としては、利益を出すことが前提になる。物流コストが上昇し、顧客への負担となる事態は避けたい。作業性の向上などメリットが無いと厳しい。皆さんの知恵をお借りしたいと思い、参加させていただいた」と述べた。  運送会社の委員からは「専属車両を1カ月追跡してトータルの労働時間を把握し、改善策を検討してはどうか」などの意見があり、事務局で工夫しながら実証実験に反映していく。  キリングループロジスティクス(加藤元・社長、東京都中野区)西日本支社の岡山支店(岡山市東区)を発荷主とした16年度のパイロット事業では、着荷主を対象集団に含めることができなかった。また、「総労働時間の検証が不十分」との指摘もあった。今回は発荷主が着荷主の役割を兼務するため、総労働時間にも目を向けていく。 【写真=クリナップロジからは「顧客への負担となる事態は避けたい」との意見も上がる】





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