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築地市場移転、豊洲を総合物流拠点へ 冷凍冷蔵・加工を強化

行政

2017/06/26 0:00

 東京都の小池百合子知事は20日の記者会見で、築地市場(中央区)について、豊洲(江東区)へ移転した上で、5年後をメドに築地の跡地を再開発する考えを示した。豊洲市場は中央卸売市場に加え、総合物流拠点として展開していくことを強調。IT(情報技術)を活用するとともに、冷凍冷蔵や加工機能を強化する。市場機能が築地と豊洲で並存する形となるが、混迷が続いていた豊洲への移転方針が明らかになったことで、関係者からは安堵する声も聞かれる。(土屋太朗、沢田顕嗣)  小池氏は、移転問題に関する基本方針の一つに「築地は守る、豊洲は生かす」と表明。市場機能を豊洲に移すとともに、築地跡地を「食のテーマパーク」として再開発することで、築地ブランドの維持・発展を進めていく構想を示した。  豊洲については「新たな中央卸売市場としての機能を優先させる」と強調。その上で、物流機能の強化を図っていく考えだ。  また、オゾン層破壊効果の高い特定フロン(HCFC)の規制強化の流れに触れ、「各地の業務用冷凍冷蔵庫の更新需要が高まる時期に差し掛かる」と説明。中央卸売市場に加え、冷凍冷蔵機能を持つ物流センターには「大きな可能性がある」と期待を示した。  築地、豊洲ともに移転後の売却は行わず、効率的な経営を通じて、赤字負担を減らしつつ存続することが可能――との見方も示した。築地市場は5年後をメドに再開発する考え。その上で、当面は東京五輪・パラリンピック用のデポや輸送拠点としての活用を見込む。豊洲移転の具体的な時期は示さなかったが、具体案は関係者との対話を通じて検討を進める。市場関係者への経営相談を実施し、必要な支援策を講じていくことも明らかにした。  小池氏の方針表明について、東発(中央区)の松本正和社長は「豊洲に移転する方向性が打ち出され、少しほっとしている。築地の選択肢は現実論としては無いと思うので、小池知事の発言は良かったと言えるだろう」と主張。  豊洲移転に伴う同社の事業計画については、「2018年のゴールデンウィークに移転する腹積もりで準備を進める。このスケジュールで我が社は特に問題無いが、全体的な状況を見ると、もう少し時間が欲しいところ」と指摘。また、「移転するまでの間は都に衛生面や安全面の改善を要望していく」とも話している。 【写真=築地の跡地は5年後をメドに再開発】





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