東部ネット、運転者マッチング実験 石油輸送会社と来年から 繁閑期の業務平準化へ
物流企業
2017/06/22 0:00
東部ネットワークは2018年1月から、全国に拠点を持つ石油輸送会社と連携し、ドライバーのマッチングの実証実験を開始する。石油輸送の繁忙期に自社のドライバーを応援に行かせるもので、人手不足対策と繁閑期の業務平準化が目的。2月末まで実施し、効果を検証する。(吉田英行) 東部ネットは主に夏季に飲料、冬季は石油輸送を手掛け、繁閑の業務量の差を無くしている。また、早くからトレーラ化を進め、多様な積み荷を効率的に運ぶ仕組みを整えている。 これまでは主に、各営業所でウィングとタンクの両トレーラを併用することで業務平準化を図っていたが、平準化の取り組みを社内だけでなく外部にも拡大する。 また、石油輸送会社とはこれまでも、自社トレーラヘッドを提供して繁忙期のローリー輸送を支援するなど車両のマッチングをしている。今後は車両のほか、人のマッチングも行い、更なる効果を見込む。 実証実験では、希望者10人程度を募り、石油輸送会社のローリーに乗務させる。繁忙期に入る前の今夏から秋にかけて、ドライバーを石油輸送会社のローリーに同乗させ、1カ月かけて教育する。東部ネットのドライバーは基本的にけん引運転免許、危険物取扱者資格を持っているが、ローリー乗務に当たっては、それ以外に製油所内での作業に必要なスキルなども習得する必要があり、同乗教育で身に着ける。 東部ネットは16年9月から、大井川営業所(静岡県吉田町)を拠点にした関東―関西のトレーラ中継輸送をスタートするなど、ドライバーの労働環境改善に取り組んでいる。 若山良孝社長は「会社の枠を越えてドライバーを提供するには、両社の信頼や連携の実績が重要。中継輸送や働き方改革に続く今後の新たな人手不足対策として、検討していきたい」と話している。 【写真=多様な積み荷を効率的に運ぶ仕組みを整備】