飯尾運輸、AED設置し社会貢献 不測の事態に備え教育
物流企業
2017/06/15 0:00
【兵庫】飯尾運輸(飯尾栄治社長、兵庫県川西市)は1日、地域社会への貢献を更に推進するためAED(自動体外式除細動器)を本社営業所に設置した。人命に関わる不測の事態に備えて、スタッフの教育も重視。既に3人が資格を取得するなど適切な使用方法の習得に努めている。 社員の発案がきっかけとなって機運が高まり、事務員2人とドライバー1人が川西市消防署で普通救命講習修了者の資格を取得。AEDの効用が自社にとどまらず、地域社会まで及ぶ交通事故防止の優れたツールと位置付け、受け入れ体制を整えた。 地元周辺では、自社での利用を前提とした企業や工場での設置事例はあるものの、誰でも使える施設は事実上、公民館しかない。一般のドライバーや地域住民が気軽に利用できるよう本社の道路側に案内看板を設置する。 また、AEDの使用法を学んだ結果、AEDはあくまで心肺蘇生の補助を行うための装置であって、救命効果を高めるためには胸骨圧迫による心肺蘇生法を正しく身に着けることが重要であるという認識の浸透につながった。 ドライバーの健康管理では、健康診断受診の徹底に加え、点呼時に体温と血圧のデータを記録して日々の体調変化を緻密(ちみつ)にチェック。夏場の現在、塩あめを配って熱中症防止に努めている。 飯尾社長は「社員の意識が高まり、自主的に取り組んでくれるのが心強い。今回も朝礼時に、何か良い社会貢献活動は無いものか思案していると話したところ、AEDのアイデアが出てきた。今後、事務所のスタッフ全員が資格取得を目指す。私もそのうちの一人だ」と話している。 同社は、これまでも社会貢献活動に注力。イベントステージに活用できるウィング車の無償提供、周辺道路の清掃活動も実施してきた。(渡辺弘雄) 【写真=適切な使用方法を習得】