つばめ急便、マネジメント力を強化 運転者の労働環境改善へ
物流企業
2017/06/12 0:00
つばめ急便(石原修社長、大阪市北区)は2018年3月期、前期から荷主と取り組んでいる安全品質プロジェクトを更に深化させる。輸送中や荷役中の事故件数削減をはじめ、生産性向上及び拘束時間の縮減など物流全体を管理するマネジメント力を強化。IT(情報技術)を活用した自動配車システムの拡大も視野に入れながら、ドライバーの労働環境改善につなげる。 16年7月、医薬品メーカーと「NT安全品質プロジェクト」を立ち上げ、17年2月には住設メーカーとの「L×Tプロジェクト」も発足させた。両プロジェクトとも、これまで担当営業所が個別に行ってきた事故対応や改善提案を全社的な活動に変更。荷主も一緒に進めることで、効果を高める。 NT安全品質プロジェクトでは、人為的ミスに起因する事故・トラブルを未然に防ぐため、想定ヒヤリ・ハットや改善提案を提出。また、協力会社を含め全社標準の点検整備項目を確実に行い、整備不良に伴う事故も減らす。 L×Tプロジェクトは、良質なサービスと荷主の要望に応える配車力や営業力・提案力の強化などを進める。生産性や品質を上げるため、養生及び固縛方法を再検討。モーダルシフト及び輸送モードの多様化、輸送ネットワークの構築も考えていく。四半期ごとの社内定例会議に加え、月1回の現場パトロールなどにも取り組む。 自動配車システムについては、16年10月から岡山センター(岡山市東区)の建材関連輸送からスタート。固有の取引条件による業務煩雑化を解消するとともに、配車作業を標準化。また、17年2月からは労務管理をより徹底させるために、IT点呼対応の管理者を3人新規採用し、本格化させた。 17年3月期の売上高は120億円(前の期比6.2%増)で営業利益率が5.0%。18年3月期は売上高127億円(前期比5.8%増)で、同5.0%を見込む。 石原社長は「18年3月期は、『自利利他の精神にて、熱意と創意を持って、時間を生み出す』をスローガンに掲げた。全社員が事を成そうとする情熱や努力する心、様々な見方・考え方で壁を乗り越えようとする心を養い、目標の達成を目指す」と話している。(落合涼二) 【写真=月1回の現場パトロール】