物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

佐川急便、週休3日制を導入 採用拡大へ副業も容認 東京都と山梨県で募集

産業

2017/06/12 0:00

 トラックドライバーの労働条件改善、採用拡大に向けた切り札に――。佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)は6日、正社員のドライバーに週休3日制を導入したことを明らかにした。1日8時間の労働時間を弾力的に運用できる「変形労働時間制」を活用するもので、既に東京都と山梨県でドライバーの募集を開始。一方、ヤマト運輸も働き方改革に向けた選択肢の一つに位置付けており、深刻な労働力不足に悩むトラック運送業界で、週休3日制の導入が広がる可能性がある。(田中信也)  少子高齢化、人口減少が深刻化する中、更なるドライバー不足が懸念されている。こうした状況を踏まえ、「現時点で極端に人が足りないわけではないが、将来を見据えた働き方改革の一環」(佐川急便経営企画部広報課)として、宅配便の集配を行うセールスドライバーへの週休3日制導入に踏み切った。  1日当たりの平均労働時間を、週休2日制より2時間長い10時間とし、週休2日制と同様にシフト制を採用。給与水準は「週休2日制と同程度」としている。また、「家業の手伝いや家族の介護、資格取得に向けた勉強などのためフルタイムで働けない人のニーズに応え、多様な働き方を提供する」との趣旨から、休日の兼業(副業)も初めて認める。  まずは、トライアルとして東京都と山梨県の営業所でスタート。求人情報サイトでは「従業員にとってより働きやすい環境をつくるため、物流業界では珍しい週休3日制を導入した」と説明しており、シフト例として午前7時~午後6時、午前8時~午後7時(いずれも休憩60分)を紹介している。今後、東京、山梨での採用や定着状況、地域でのニーズを踏まえ、各地に水平展開していく方針だ。  週休3日制はファーストリテイリング、日本KFCホールディングスなど小売・外食業で導入が先行しているが、厚生労働省の就労条件総合調査(16年)によると「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」を採用している企業の割合は5.8%に過ぎない。業種別にみると「運輸業・郵便業」は2.2%とかなり少なく、完全週休2日制ですら25.1%と全産業(49.0%)でも低い。  こうした中、物流大手の佐川急便が週休3日制の先駆けたことで、物流・トラック運送業での導入例が増えると予想される。国土交通省とタッグを組み、トラックドライバーの労働条件改善を推進している厚労省も「ドライバー不足解消に向け、職場の魅力を高める方法はそれぞれの会社の工夫次第だが、週休3日制の導入が広がることは、ドライバーの労働条件を改善する上で良い動き」(労働基準局労働条件政策課)とみている。  ドライバー不足と労働条件の悪化などを理由に、基本運賃の値上げや時間帯指定サービスの縮小を余儀なくされたヤマト運輸は「働き方改革を進める中、有給休暇の拡大、残業時間の削減といった(労働・採用条件)改善に向けた改革案の一つ」(広報戦略部)に位置付けており、今後、導入する可能性がある。  一方、日本郵便(横山邦男社長、東京都千代田区)では、担当する荷物の配送が終わるまで責任を持つセールスドライバーとは違い、時間帯シフト制の勤務を採用しているため「週休3日制は検討していないし、想定できない」(経営企画部広報室)としている。 【写真=現時点で極端に人が足りないわけではないが、将来を見据えた働き方改革の一環】





本紙ピックアップ

日本財団「無人運航PJ」、RORO船が検査に合格

 日本財団(尾形武寿会長)は6日、RORO船「第二ほくれん丸」が自動運航船としての船舶検査に合格した、と発表した。RORO船では国内で初めて。自動運転レベル4(特定条件下での完全自動運転)相当の自動運航が可能で、釧路港(…

関西国際物流戦略チーム、活動指針を4年ぶり改定

 関西の産官学でつくる国際物流戦略チームは6日、大阪市で本部会合(松本正義本部長、関西経済連合会会長)を開き、活動の指針となる「今後の取り組み」を4年ぶりに改定した。国際情勢の変化に対応するため「国際海上コンテナ輸送の多…

適正原価実態調査/全ト協報告、トラ事業者48%が回答

 国土交通省が「トラック適正化2法」の規定に基づき導入する適正原価の設定に当たって、トラック運送事業者の原価構造の把握を目的に行ってきた実態調査の回答率は3日時点で48.4%に上っている。5日の全日本トラック協会(寺岡洋…

海運モーダルシフト大賞、背高コンシャシー採用

 国土交通省などは9日、エコシップ・モーダルシフト事業の優良事業者を発表し、革新的な取り組みを行い、貢献度が最も高い海運モーダルシフト大賞に、日本製紙クレシアとロジネットジャパン西日本の取り組み、ロッテと曙運輸の取り組み…

オススメ記事

日本財団「無人運航PJ」、RORO船が検査に合格

 日本財団(尾形武寿会長)は6日、RORO船「第二ほくれん丸」が自動運航船としての船舶検査に合格した、と発表した。RORO船では国内で初めて。自動運転レベル4(特定条件下での完全自動運転)相当の自動運航が可能で、釧路港(…

関西国際物流戦略チーム、活動指針を4年ぶり改定

 関西の産官学でつくる国際物流戦略チームは6日、大阪市で本部会合(松本正義本部長、関西経済連合会会長)を開き、活動の指針となる「今後の取り組み」を4年ぶりに改定した。国際情勢の変化に対応するため「国際海上コンテナ輸送の多…

適正原価実態調査/全ト協報告、トラ事業者48%が回答

 国土交通省が「トラック適正化2法」の規定に基づき導入する適正原価の設定に当たって、トラック運送事業者の原価構造の把握を目的に行ってきた実態調査の回答率は3日時点で48.4%に上っている。5日の全日本トラック協会(寺岡洋…

海運モーダルシフト大賞、背高コンシャシー採用

 国土交通省などは9日、エコシップ・モーダルシフト事業の優良事業者を発表し、革新的な取り組みを行い、貢献度が最も高い海運モーダルシフト大賞に、日本製紙クレシアとロジネットジャパン西日本の取り組み、ロッテと曙運輸の取り組み…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap