パスコロジ、指さし呼称を検定制度に 合格時に補償金を支給 納品作業でも励行徹底
物流企業
2017/06/08 0:00
敷島製パン(盛田淳夫社長、名古屋市東区)グループのパスコ・ロジスティクス(今井正秋社長、神奈川県海老名市)は、指さし呼称を安全教育の根幹に位置付け、検定制度を設けて徹底を図っている。(吉田英行) これまでの交通事故やヒヤリ・ハットの事例について、ドライバーにヒアリングしたところ、最終の安全確認作業が省かれていることが主な原因であることが判明。危険予知に向け、運転だけでなく、工場内での納品作業時にも指さし呼称を励行するよう徹底している。 検定制度は初級、中級、上級の3段階。腕に着けるワッペンで等級が分かるようになっている。各営業所の所長クラスの管理職が検定員となって同乗し、検定コースを走行しながら、同社独自の指さし呼称マニュアルに基づいて実技をチェック。合格時には報奨金を支給する。 有効期限は特に設けていないが、抜き打ちチェックや再確認を行う。また、全車両に富士通製のドライブレコーダー(DR)一体型のネットワーク型デジタルタコグラフ「DTS―D1D」を全車に装着し、前方と車内の映像を撮影。日常の指さし呼称の励行状況を確かめる。更に、検定員のレベルも定期的に調べている。 マニュアルには、動作ごとの呼称、上達のポイント、レベル別指導内容、検定の審査基準などを規定。危険予知と指さし呼称に関する同社のノウハウが詰まっている。 今井社長は「仕事の合間に検定を入れ、検定時間は拘束時間に含めている。指さし呼称で事故や誤納品が減るなら安いもの」として、今後も安全確認の基本動作として重視していく。 【写真=初級(右)、中級(左下)、上級(左上)と、ワッペンで等級を区別】