日冷倉協、会長に大谷氏選出 待期解消むけ行動計画策定
産業
2017/06/05 0:00
日本冷蔵倉庫協会(細見典男会長)は1日、総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、会長に大谷邦夫氏(61、ニチレイ)を選出した。大谷氏は「中長期的な視点で、会員一体となって知恵を絞り、課題解決に向け前進していく」と強調した。また、冷蔵倉庫でのトラックの待機時間解消に向け、近く検討結果をまとめ、関係者への提言や自主行動計画の策定につなげる。(土屋太朗) 細見会長(67、日本水産)は「理事や会員の皆さんの支援で2年間務めることができた。新会長を支援し、業界を盛り上げて欲しい」とあいさつ。大谷氏は「細見氏は物流効率化部会(富永泰輔部会長)を立ち上げ、荷待ち時間対策の検討を始めるなど、事業環境の改善を進められた。私も課題解決へ前進していく」と抱負を述べた。 副会長と理事長はいずれも重任。新理事には佐野育(武蔵野冷蔵)、池田忠男(ニチレイ・ロジスティクス関西)の両氏が選ばれた。 物流効率化部会は2016年度から、待機時間解消に向けた対策の検討を進めており、近く取りまとめる。荷主や運送事業者、冷蔵倉庫事業者のそれぞれに向けた提言をつくるとともに、自主行動計画も策定。品質維持のため、トラックが到着する前に貨物を倉庫から出せないなどといった冷蔵倉庫特有の問題の解決策を盛り込む。 また、冷蔵倉庫では食品を多く取り扱うことを踏まえ、17年度から食品の衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」への対応を議論する。物流効率化部会か業界標準部会(西願広行部会長)で取り上げる。 更に、冷蔵倉庫業界を紹介するビデオのリニューアルも検討する。業界功労者表彰では、山本朗氏(セントラル・コールド・ストレージ)ら3人が選出されたのに加え、今春の褒章で藍綬褒章に輝いた福山衛氏(福山冷蔵)も表彰された。 【写真=握手する大谷新会長(右)と細見会長】