東ト協、理事交代巡り紛糾 多摩支部長「病気 理由になる」 執行部「妥当とは認めず」
団体
2017/06/05 0:00
【東京】東京都トラック協会(千原武美会長)が5月29日に開いた理事会で、多摩支部の竹内政司支部長(竹内運輸工業)が質問した支部推薦理事の任期途中の交代を巡り、交代の承認を求める竹内氏側と、「妥当な理由は無い」として認めない執行部との議論は平行線をたどったが、会長一任で否決された。24日に開かれた本部の常任理事会でも否決されている。(高橋朋宏) 竹内氏が提案したのは、多摩支部の後藤裕隆理事(三鈴運送)の退任と前副会長の水野功氏(千代田運輸)の理事選任。 竹内氏は「1年前(役員改選時)に水野氏を理事にするのを忘れていた。すると、後藤氏から退任の申し出があったため、本部に交代を届けた。問題は無いと思った。支部の常任理事会の承認は得ているのに、副会長らからの事情聴取で、理事交代の届け出は私の独断という内部告発があったと言われ、その後の正副会長会議などで否決された。改めて否決の理由を聞きたい」と質問した。 これに対し、安藤明専務は「任期途中の交代は通常、病気や死亡などやむを得ない理由があれば認められるが、今回はやむを得ない理由は認められなかった。役員は任期全うを前提に総会で承認を得ている」と回答した。 後藤氏は「昨年、脳こうそくを患ったのだが、安易な気持ちで2期目の理事を受けてしまった。水野氏が理事になってくれるのなら喜んで退任する旨を竹内氏に伝えたが、病気のことは言わなかった。それがこんなに大きな問題になるとは思わなかった。言葉が足りなかった」と話した。 竹内氏は「後藤氏が病気を告白してくれた。先日の常任理事会の時とは状況が違う。交代の理由になるのではないか」と述べた。 他支部の理事が「任期途中の交代に明確なルールがあるのか」と質問。安藤氏は「定款、約款などの規定は無く、入院など慣例的な理由で認めてきた」と答えた。 その後、多摩支部の複数の理事も発言し、支部の常任理事会で「承認された」「議題に上がった覚えは無い」と異なる認識を表明。佐久間恒好副会長は「多摩の中できちんと決めてから本部に上げて欲しい」。鈴木一末副会長は「竹内氏は多摩支部の総意と言われたが、そうではないと思う」と述べた。 また、竹内氏は「社団法人を司る東京都生活文化局の担当課長は、任期途中でも、役員本人が退任したいと申し出た際は、法人は受けなければならないという見解だった」と紹介。 西沢康雄常務は「退任は自由だが補充は別。補充に関する規定は無いため、必ずしも補充をしなければならないわけではない。もし任期途中に何十人も交代者が出ると、協会運営は混乱する」と応じた。安藤氏は「後日(改めて後藤氏から)退任の申し入れがあれば受ける」と話した。 千原会長は「改めて多摩支部の常任理事会でちゃんと決めてから本部に上げて欲しい」と締めくくり、「会長一任」の声を踏まえ、否決した。 【写真=理事交代が否決された理由について質問する竹内支部長(左)】