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高速SA/トラック駐車場、予約システムを導入 国交省がスマホとETC2.0活用検討

行政

2017/05/29 0:00

 国土交通省は、サービスエリア(SA)でトラックの駐車スペースを確保するため、予約システムの導入を検討する。スマートフォン(スマホ)で予約し、次世代型自動料金収受システム「ETC2.0」を通じて、当該車両かどうか判別する――といった仕組みを想定。高速道路でのトラックの駐車スペース不足が深刻化しているため、先端技術や一般道の施設の活用で解消につなげ、トラック運転者が利用しやすい高速道路環境をつくりたい考えだ。  24日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(寺島実郎部会長、日本総合研究所会長)で、同省が案を示した。  全国の高速道路のうち、休憩施設の間隔が25キロ以上あるのは100区間で、150キロ超にわたるガソリンスタンドの「空白区間」は1区間に及んでいる。  また、首都圏では深夜帯を中心に、トラックの駐車スペース不足が深刻化。東名高速道路の海老名サービスエリア(SA、神奈川県海老名市)では、6時間以上駐車しているトラックは全体の7%だが、駐車台数と駐車時間を掛け合わせた「滞在量」をみると、6時間以上が全体の55%を占める。  このため、同省では現在、混雑情報の迅速な提供に努めるとともに、長時間駐車抑制を啓発。更なる対策として、トラック運転者が確実に駐車できるよう、予約システムの導入を検討する。  一案として示したのは、ETC2.0の搭載車を想定し、運転者がスマホなどから予約するもの。あらかじめ専用スペースを設け、出入口にはETC2.0のデータを読み取る機器を置く。データを通じ、予約した車両かどうかを判別する仕組みだ。  併せて、高速道路外の施設の活用を促す仕組みも構築する。現在、ETC2.0搭載車を対象に、高速道路外へ一時退出して道の駅を利用しても継続した料金として認める実証実験を進めている。  結果を踏まえて実験エリアを広げ、制度の本格化を目指す。同様に、高速道路外のガソリンスタンドを活用した路外給油サービスの取り組みも試験的に始めている。  部会では、高速道路の一時退出を認める仕組みについて、委員の1人が「利用できる施設を限定すると、逆にシステムの負荷になってしまう。時間内ならどこでも利用できるようにするなどの制度にすべき」と指摘。また、「近郊の商業施設も対象にすれば良いのではないか」といった声も上がった。  部会では今夏をメドに、高速道路を利用しやすくなるような環境づくりや安全対策について基本方針をまとめる。休憩施設不足の解消に加え、逆走事故の防止や災害による通行規制に関しても検討。基本方針に基づき、国は目標水準や達成時期などを盛り込んだ実行計画を策定する。(土屋太朗) 【写真=今夏をメドに基本方針を取りまとめ】





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