物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

ユービーエム、働き方を選べるように 協力会社と仕事量を調整

物流企業

2017/05/25 0:00

 【兵庫】ユービーエム(上田勝嗣社長、兵庫県西宮市)は、協力会社と連携して仕事量を調整し、長時間労働を抑制することで、労働環境の向上を図っている。自社だけでは改善の難しい課題を抱える企業や荷主と連携、解決し、事故防止や人手不足の解消に役立てる。(蓮尾輝)  協力会社との連携に本腰を入れ始めたのは2016年。コンビニエンスストアの配送を手掛ける会社が集まる会合で、長時間労働についての報告が出たことがきっかけだった。売り上げが偏らないよう互いに調整し、仕事を分配。当初は業務が煩雑化し、その対応に追われることもあった。  現在は協力体制を軌道に乗せ、ドライバーの平均労働時間の削減に成功。4月には、NHKのニュース番組「ニュースKobe発」で、「ドライバーの働き方改革!兵庫の運送現場は」と題して、その様子が取り上げられた。  谷口泰史・取締役運輸本部長は「多少のコストアップをしてでも職場環境の改善、ドライバーの品質向上を推進しなければならないというのが社長の方針。コンプライアンス(法令順守)をきちんとしていない会社には、仕事を任せられないという時代が来ている。昔は、労働時間を超過しても事故さえ起こさなければ良い、という認識の人も多かったが、もうその考え方では通用しない」と話す。  労働時間以外にも、ドライバーの負担になる要素は取り除く。近の例では、ドライバーから車輪止めについて不満が多く上がっていたため形状を変更。従来のように、二つのパーツをロープで結ぶのではなく、車輪の幅で固定されたものを固い取っ手でつなぎ、横から片手で差し込めるようにした。  更に、車両のドアのエッジにはLED(発光ダイオード)を取り付け、夜間の視認性を向上。ドアを開いた際の走行車両との接触事故防止を図っている。  一方で、自社ドライバーの品質向上への努力も欠かさない。一般のトラックドライバーの募集とは別枠で、ベテランの経験と技術を持った「エキスパートドライバー」を採用し、教育係として若手の指導に生かす。育成トレーナーとして採用されたドライバーは全ての営業所を回り、業務をこなしながら社員全体のレベルアップに貢献する。  「ドライバーの労働環境改善といっても、ただ労働時間を減らせばドライバーが満足するというわけでない。休日が欲しい人もいれば、できる限り長く働いてお金を稼ぎたい人もいる。実際に『稼ぎが減るから』という理由でドライバーが退職したケースもあった。外部はもちろんだが、社内に対しても慎重に理解を得ながら改善を進めたい」(谷口氏)  今後のビジョンについては、社員の働き方ニーズに対応するため、ドライバーが自由に働き方を選ぶことができる制度を検討。就業規則を見直し、「休みが多い働き方」「休みは少ないが賃金が多い働き方」の2パターンを用意することで、求職者の間口を広げ、雇用の確保を狙う。  パート・アルバイト含めて社員は450人、車両160台を保有。関西、関東を中心に15営業所を展開し、大手スーパーマーケットや食品関連施設、ドラッグストア、コンビニなどへの配送や物流センター業務を手掛けている。 【写真=求職者の間口を広げ、雇用の確保を狙う】





本紙ピックアップ

国交省、約款に「置き配」など明記

 国土交通省は6月26日、再配達率の高止まりや宅配事業者の負担増加などの課題解消に向け、標準宅配便運送約款に「置き配」など多様な受け取り方法の取り扱いを明記し、普及を図っていく方針を示した。同日、有識者・関係者で構成する…

ブリヂストン、SBSに子会社譲渡

 ブリヂストンは6月30日、100%子会社であるブリヂストン物流(三好由浩社長、東京都小平市)の株式の66.6%をSBSホールディングスに譲渡する、と発表した。SBSHDは10月1日をメドに81億円(アドバイザリー費用な…

社会資本整備・交通政策計画、一体化へ共通メッセージ

 国土交通省は6月27日、社会資本整備審議会計画部会(小林潔司部会長、京都大学経営管理大学院特任教授)と交通政策審議会交通体系分科会計画部会(竹内健蔵部会長、東京女子大学教授)の合同会合を開き、社会資本整備重点計画と交通…

若松梱包、第二共配センター稼働

 若松梱包運輸倉庫(江田修一社長、金沢市)は本社中核拠点(石川県白山市)の隣接地に第二共配センターを建設し、1日から本格稼働させた。冷凍、冷蔵、常温の食品を保管する営業倉庫で、特に冷凍品の扱いでは自動ラック(7644パレ…

オススメ記事

国交省、約款に「置き配」など明記

 国土交通省は6月26日、再配達率の高止まりや宅配事業者の負担増加などの課題解消に向け、標準宅配便運送約款に「置き配」など多様な受け取り方法の取り扱いを明記し、普及を図っていく方針を示した。同日、有識者・関係者で構成する…

ブリヂストン、SBSに子会社譲渡

 ブリヂストンは6月30日、100%子会社であるブリヂストン物流(三好由浩社長、東京都小平市)の株式の66.6%をSBSホールディングスに譲渡する、と発表した。SBSHDは10月1日をメドに81億円(アドバイザリー費用な…

社会資本整備・交通政策計画、一体化へ共通メッセージ

 国土交通省は6月27日、社会資本整備審議会計画部会(小林潔司部会長、京都大学経営管理大学院特任教授)と交通政策審議会交通体系分科会計画部会(竹内健蔵部会長、東京女子大学教授)の合同会合を開き、社会資本整備重点計画と交通…

若松梱包、第二共配センター稼働

 若松梱包運輸倉庫(江田修一社長、金沢市)は本社中核拠点(石川県白山市)の隣接地に第二共配センターを建設し、1日から本格稼働させた。冷凍、冷蔵、常温の食品を保管する営業倉庫で、特に冷凍品の扱いでは自動ラック(7644パレ…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap