ツーワン輸送、高卒新人育成に尽力 3年目で中型免許取得を目指す
物流企業
2017/05/22 0:00
【青森】ツーワン輸送は、高卒新人の育成に尽力している。2015年春から、3年連続で採用。軽自動車による市内配送業務から始め、中型車から大型車のドライバーへとステップアップさせるキャリアプランを掲げる。 同社は大型トラックでの輸送をメインに手掛けている。しかし、深刻化するドライバー不足に危機感を抱いたため、大型トラックを運転できない高校新卒の採用も積極的に行う方針を打ち出した。高校生を対象とした企業説明会へ14年に参加。会社と物流業界のアピールに努めた結果、15年春には2人の新人を迎えることができた。新入社員のために、軽自動車の配送業務を15年9月から開始した。 邑山尚仁常務(55)は「中途採用で他社からドライバーが移籍してきても、トラック業界全体の労働者数は増えない。毎年、新人を入れ、計画的に育てる方が得策」と語る。今春は、初めて採用した女性社員1人を含む3人が入社式に臨んだ。 最初の2週間は、業界や会社の業務の基本的な知識と社会人としてのマナーなどの研修を行う。また、青森県トラック協会(木村英敬会長)が主催する初任運転者講習の受講に加え、踏切での安全指導、発煙筒の使い方、タイヤ交換などを学ぶ。その後、助手として同行したり、添乗指導を受けるスケジュールをこなし、5月以降に独り立ち。 3カ月に1回程度、大型トラックの助手として関東方面への長距離輸送も経験。マンネリ化を防ぐとともに、大型の魅力を伝える狙いもある。2年目は後輩の指導をしながら経験を積み、3年目で中型自動車免許の取得を目指す。その際に掛かる費用は、全て同社が負担する。 当初は3年目で大型免許を取得する構想にしていたが、途中でリタイアする新人も出たため、2年で中型免許を取らせる方針に切り替えた。準中型免許に対応した業務の展開も検討中だ。 葛西社長(40)は「時間とコストは掛かるが、高卒新人の採用を継続していきたい。今できることから始めて、10年後に結果が出ていればいい。しっかり教育することで、当社の事業に対して一緒に考えて行動するドライバーになってもらえればうれしい」と話している。(今松大) 【写真=研修でタイヤ交換を学ぶ】