トラックDPFメンテナンスサービス、エフテックが来月開始 目詰まり除去し再生
産業
2017/05/22 0:00
自動車整備業のエフテック(森孝司社長、千葉県四街道市)は6月から、トラックのDPF(ディーゼル排気微粒子除去装置)のフィルターと触媒の目詰まりなどを効果的に除去し、交換せずに再生する新サービス「DPRアクティブメンテナンス」の販売を開始する。自動車整備部品の製造販売を手掛ける安全自動車(中谷宗平社長、東京都港区)と提携し、全国でサービスを展開していく。(佐々木健) DPRアクティブメン近年多発しているDPFのフィルターやコモンレール式燃料噴射装置、EGRバルブなどの目詰まり解消を目的に開発された。 目詰まりの原因はカーボンスラッジのほか、硫酸カルシウムやシアヌル酸などの結晶物質。こうしたものが堆積(たいせき)することでフィルターが詰まり、排ガスなどが適切に排出されず、エンジンの燃焼にも悪影響を与える。 長時間のアイドリングや低速走行が多い車両は、カーボンスラッジを適切に燃焼できず、停車した上で強制燃焼しなければならない。カーボン除去には高温で燃焼する必要があるため、ある程度の距離を一定速度で走る車両でなければ困難だという。走行・停止を繰り返す車両を中心に、使用環境が特殊なパッカー車や高所作業車などは、カーボンや結晶物質を完全に除去できず、エンジンの稼働状態が悪くなる事例が多い。 エフテックでは、カーボン以外の原因物質を特定したことで、結晶化した物質を除去するための溶剤「DPRアクティブクリーン」の開発に成功した。この溶剤を適切な温度と圧力でDPFや各フィルターに流し込む装置「DPRアクティブマシーン」を製作。中小企業庁の2014年度の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」を受け、サービスを体系化した。 新サービスは、追跡可能な作業履歴を作成し、ユーザーの車両を可能な限り新品状態に復元する。作業手順は①スキャンツールで「走行不能」の状態にあるDPF記録などをリセット②燃料噴射装置の圧力の確認と洗浄③DPFの脱着分解とクリーニング④燃料フィルターなどの関連部品の交換――で、これを2日間の工程で実施する。更に、定点モニタリングを行うことで、万全な整備状態のトラックをユーザーに提供する仕組みだ。 森社長は「大型トラックは、大切に使えば200万キロは走行可能な機械だ。しかし、NOX(窒素酸化物)用触媒を交換すると、200万円も掛かる。DPRアクティブメンテナンスは200万キロなら、3回の実施で性能を維持でき、安価に済む。16年8月から試験サービスを実施し、200台に施工した。全国の整備業者とともにシステムを普及させたい」と話している。 【写真=ものづくり補助金を得て完成したDPRアクティブマシーンの2号機】