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近未来技術/実証実験、特区規制を一時停止 自動運転の実験しやすく

産業

2017/05/18 0:00

 政府は、自動車の自動運転技術や小型無人機(ドローン)など近未来技術の実証実験を迅速かつ集中的に行いやすくするため、国家戦略特別区域法による特区での実験実施に際しての事前規制・手続きの規制を一時的に停止する「日本版レギュラトリー・サンドボックス」制度を創設する。2018年夏ごろにも、公道での遠隔操作による自動運転や、目視無しでのドローンの完全自律飛行といった最先端の実験が限られた参加者、エリアで可能になる見通しだ。  インターネットとあらゆるモノをつなぐIoTや、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットといった最先端技術を政府は「第4次産業革命」として位置付けている。中でも自動運転技術が「20年度」、ドローンは「18年中」の期限を設定し、世界に先駆けて実用化を目指している。  ただ、エリアを限定して集中的な規制緩和を行う国家戦略特区ですら、自動運転の公道での実証は時間・場所などで多くの制約があり、関係機関との事前調整に煩雑な手続きを要する。  こうした中、民間議員からの意見を踏まえ、国家戦略特区諮問会議(安倍晋三議長、首相)は「自動運転技術やドローンなど近未来技術の実証を円滑かつ迅速に行えるよう諸外国でのレギュラトリー・サンドボックスを参考に、特区での事前規制・手続きの抜本的見直しなどの具体的方策を早急に検討すべき」と答申。国家戦略特区改正法案に関係規定が盛り込まれた。  これを受け、3月11日に東京圏国家戦略特区会議の下に東京都サンドボックス分科会を設置。東京都が羽田空港(大田区)周辺地域でのレベル4(完全自動運転)による最先端の自動走行システム実証実験の構想を説明し、制度設計に向けた検討をスタートさせた。  5月12日に開催された未来投資会議で、安倍議長は「レギュラトリー・サンドボックス制度の創設に向け大きな一歩を踏み出した」と強調。  また、竹中平蔵議員(東洋大学教授)が「従来の政策手法では、国際的にも大きく立ち後れ、『ガラパゴス化』してしまう懸念がある。今こそ実証による政策形成のかじを切るため、参加者や期間を限定することにより『まずやってみる』ことが重要だ」と主張。その上で、「実証優先主義」「リスクの適切な管理」など五つの原則に基づく、法制上の措置の必要性や諸外国の事例を踏まえた政府横断的な推進体制の構築を求めた。  山本幸三・内閣府特命担当大臣は、レギュラトリー・サンドボックスの法案上の位置付けや、自動運転技術とドローンの技術実証に関する今後の進め方などを説明。自動運転は近く警察庁が「遠隔型の公道実証実験に対するガイドライン」を公表し、ドローンでは6月に海上での約10キロの自律飛行を千葉市が予定している――と報告した。(田中信也)  【写真=目視無しでのドローンの完全自律飛行といった最先端の実験が限られた参加者、エリアで可能になる(イメージ)】





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