中部研修センター、自動車教習所事業に着手 まず届出 特定も検討へ
産業
2017/05/18 0:00
愛知県トラック協会(小幡鋹伸会長)の中部トラック総合研修センター(愛知県みよし市)は、自動車教習所事業に着手する。7月上旬をメドに愛知県公安委員会に対し、届出自動車教習所として運営するための必要書類を提出。10月上旬から準中型、中型、大型、けん引免許の練習場所として稼働を目指す。(梅本誠治) 届出自動車教習所は、運転免許取得に向けた練習場として交安委に届け出た施設で、基準に厳しい縛りは無い。センターの物、人、運営面は既に要件を満たしており、届け出だけで済むため、早期の事業開始を見込める。将来的には、専用の教習室の整備や教習事業を手掛ける部署の開設、認定指導員の育成などにより、免許取得時講習の可能な特定届出自動車教習所の申請も検討する。 愛知ト協では、2012年4月に財団法人だった研修センターを合併後、免許取得支援事業として、中型・大型・けん引車両を使ってペーパードライバー講習や車種変更、上位免許取得を目的とする実技研修を続けており、このほか自由練習や1日5時間による3日間のマンツーマン実技指導なども行っている。 これまでに学科指導の経験は無いが、届出自動車教習所になれば、交安委との関わりから免許取得の教習に対する助言や指導を仰ぐことが可能になる。更に、研修指導員のレベル向上や路上教育に向けたノウハウの蓄積に加え、業界にとって最重要のドライバー確保のニーズに応えられると判断した。また、協会の資格取得事業の充実を図ることで、会員支援の幅も広げる。 課題は、現在実施中の研修事業と教習事業の並行が難しくなる可能性と、組織・運営体制の構築。その対策として、有資格者を積極的に採用して指導員の充実を図り、「自動車教習所」をセンター内に置く。一方、愛知ト協内に運転実技を指導する課を新設するなど、業務実施規定も設ける方針だ。 9日の研修センター運営委員会で、寺岡洋一委員長は「いよいよ、研修センターの最終目標である自動車教習所事業を進める準備が整ってきた。当事業は準中型からけん引免許まで対応する、ドライバー不足の改善に欠かせない取り組み。委員の様々な意見と提案に期待している」と強調した。 新事業の進ちょくや方向性に加え、特定届出自動車教習所を目指すための課題については、今後詰める。また、会員から要望を受けることが予想されるため、運転免許試験場での技能試験が免除される。更に上位の指定自動車教習所の可能性も模索していく。 【写真=特定届出自動車教習所の申請に向け、更に体制を整備】