物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

商工中金に改善命令 危機対応融資で不正

行政

2017/05/15 0:00

 経済産業、財務、農林水産の各省と金融庁は9日、取引先の財務資料を改ざんし、危機対応融資を不正にかさ上げした商工組合中央金庫(商工中金、安達健祐社長、東京都中央区)に対し、業務改善を命じた。  商工中金は取引先の業種別の内訳は明らかにしていないが、中小・小規模事業者が99%を占めるトラック運送事業者への融資が多く含まれているとみられ、調査の動向が注目される。  商工中金が第三者委員会を設置して4月25日に取りまとめた報告書によると、融資した22万945口座のうち2万7934口座(12.6%)を調査した結果、35支店の99人の職員が関与し、760口座、816件で売上高を少なく計上するなどの不正行為が発覚した。  9日、宮本聡中小企業庁長官が安達社長に処分内容を伝えた。全ての口座を調査し、その原因を特定するとともに、マネジメント体制の整備・強化などを求めており、進捗(しんちょく)・実施状況を踏まえた業務改善計画を6月9日までに作成しなければならない。これを受け、商工中金は「このような事態を二度と発生させることがないよう全容を解明するとともに、業務の改善計画を策定の上、直ちに実行し、信頼回復に全力を挙げる」としている。  危機対応融資は、災害や金融危機などによって一時的に経営難に陥った企業に対し、国債の一種である「財投債」を原資に政府系の商工中金や日本政策投資銀行、国が指定した民間金融機関を通じて低利で融資する制度で、2008年のリーマン・ショック後に創設した。(田中信也) 【写真=商工中金は来月9日までに業務改善計画を作成】





本紙ピックアップ

手形・小切手廃止、「効率化つながる」評価

 紙の手形・小切手の利用が2026年度末で廃止されるのに向け、物流業界でも対応が進んでいる。銀行振り込みや電子記録債権などに切り替えた事業者からは、効率化につながるとして評価する声が多い。会員企業に対応を促すため、トラッ…

富士運輸「アスファルト原液輸送」、複数人運行&手当 

 富士商(藤田敏彦会長兼社長、山口県山陽小野田市)グループの富士運輸(阿部悦雄社長、同)は、運送会社の廃業・撤退が増えている道路舗道に使うアスファルト原液の輸送を、1台の車両を複数のドライバーが乗り回す運行体制とマルチス…

阪神港「CONPAS」実用化1年、意見すれ違い普及進まず

 阪神港で実用開始から1年以上経っても、コンテナの搬出入予約システム「CONPAS(コンパス)」の普及が進まない現状について、海上コンテナ輸送事業者とコンテナターミナル(CT)運営会社の意見が擦れ違っている。CT側は「事…

両備TC、ドライバーが貨物・旅客輸送を兼務

 両備ホールディングス(松田敏之代表取締役CSO=最高戦略責任者)の両備トランスポートカンパニー(両備TC、荒木一守カンパニー長)は、大阪支店(大阪府和泉大津市)で、一人のドライバーが貨物と旅客の輸送を兼務する多能工化を…

オススメ記事

手形・小切手廃止、「効率化つながる」評価

 紙の手形・小切手の利用が2026年度末で廃止されるのに向け、物流業界でも対応が進んでいる。銀行振り込みや電子記録債権などに切り替えた事業者からは、効率化につながるとして評価する声が多い。会員企業に対応を促すため、トラッ…

富士運輸「アスファルト原液輸送」、複数人運行&手当 

 富士商(藤田敏彦会長兼社長、山口県山陽小野田市)グループの富士運輸(阿部悦雄社長、同)は、運送会社の廃業・撤退が増えている道路舗道に使うアスファルト原液の輸送を、1台の車両を複数のドライバーが乗り回す運行体制とマルチス…

阪神港「CONPAS」実用化1年、意見すれ違い普及進まず

 阪神港で実用開始から1年以上経っても、コンテナの搬出入予約システム「CONPAS(コンパス)」の普及が進まない現状について、海上コンテナ輸送事業者とコンテナターミナル(CT)運営会社の意見が擦れ違っている。CT側は「事…

両備TC、ドライバーが貨物・旅客輸送を兼務

 両備ホールディングス(松田敏之代表取締役CSO=最高戦略責任者)の両備トランスポートカンパニー(両備TC、荒木一守カンパニー長)は、大阪支店(大阪府和泉大津市)で、一人のドライバーが貨物と旅客の輸送を兼務する多能工化を…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap