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パドック開発、車両側面から荷台降下 特許取得 積み込み負担減

産業

2017/05/11 0:00

 バイクの販売・展示・整備などを手掛けるパドック(岡本辰彦社長、岡山県津山市)は、荷台が車両側面から自動で水平に地面まで下りるトラック「アンロード・プラス」を開発し、販売をスタートする。同社によると、荷台を地面に下ろして積み込みの負担を大幅に軽減するトラックは初めてで、2017年1月には特許を取得。建設業者やリース会社のほか、トラック事業者への普及にも力を入れ、若年ドライバーの職場環境改善に貢献していく。(江藤和博)  荷台前方にある操作盤のスイッチを押すだけで、荷台を前後で支える油圧式のシリンダーが回転し、荷台を水平な状態で地面まで下げる仕組み。荷台が傾かないため、荷物の落下や破損の心配が無い。また、荷台の動きは途中で停止することが可能で、段差のある荷下ろし場所にも対応できる。  荷物によってはフォークリフトを使う必要が無くなり、ユニック車(クレーン付きトラック)の役目も果たす。また、広いスペースを必要としないため駐車する場所を選ばず、作業を迅速化できる。  パドックでは2トン車と1.5トン車を用意。4ナンバー(小型貨物車)のため普通免許で運転できる。また、車幅1.7メートル、車長4.7メートルで、コインパーキングの利用が可能だ。当面は日野自動車の新車(2トン)で製品化するが、他のトラックメーカーの車両にも対応していく。新車は1台約500万円、中古車改造の場合は見積もりになるが、価格の目安は250万~300万円程度。  パドックでは、大型・精密機械類、重量物、パレット積み荷物など幅広い積み荷に対応できるとみている。また、商品の分解・梱包の時間も大幅に短縮できることから、女性や高齢者のドライバーにも使いやすい――としている。  5月、6月に開催される運輸・交通システムEXPOに初出展し、これに合わせて販売を開始する。  パドックではこれまで、若手の新入社員にバイクの配送や引き取りなどを任せてきた。しかし、荷台にスロープを掛ける方式は、落下の危険性があり、積み下ろしに体力や熟練が必要。また、垂直パワーゲートも載せる荷物の大きさや重さに制限がある。そこで、自社で荷台可動のトラックを開発し、新入社員の負担を軽減した。  この手作りの製品が、つやま産業支援センター(大下順正センター長)に着目され、同センターがコンサルタント会社に委託して市場性を調査。「需要はある」と判断して商品化に踏み切った。現在は津山市内の部品メーカーなどと提携して量産体制を整えている。  岡本社長は「アンロード・プラス導入により、2人でやっていた仕事が1人でできるようになる。これまで受けられなかった仕事が可能になり、仕事の幅が広がる」と話している。 【写真=開発したトラック「アンロード・プラス」を操作する岡本社長】





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