UD、クオンをモデルチェンジ 運転しやすさ向上 ドライバー不足見据え
産業
2017/04/17 0:00
UDトラックス(村上吉弘社長、埼玉県上尾市)は11日、フルモデルチェンジした大型トラック「クオン」を発表した。ドライバー不足時代を見据え、運転のしやすさをはじめとした五つの基本性能(運転性能、燃費・環境性能、安全性、生産性、稼働率)を向上。国内メーカーでは初めてとなる全輪ディスクブレーキを採用したほか、シャシーに高張力鋼を使うことで車体の軽量化を図り、積載量が最大で200キロ増えた。(小瀬川厚) 電子制御式オートマチックトランスミッション「エスコット・ファイブ」は、「エスコット・シックス」に進化。シフトパターンを扱いやすいストレート式に変更し、マニュアルモードも備えた。また、エスコット・シックスを搭載する全モデルに、GPS(全地球測位システム)を活用した先読み機能「フォアトラック」を追加。時速60キロ以上で作動し、クルーズコントロール機能と組み合わせることで、一度走行した道路の勾配を車両が記憶して道路状況を先読みする。次回同じ道路を走行する際に車速、エンジン回転数、補助ブレーキなどを自動制御し、燃料消費量を抑制する。 衝突被害軽減ブレーキ「トラフィックアイブレーキ」は、これまでのミリ波レーダーに加えてカメラによる二重の監視が可能になった。前方車両の検知機能が大幅に向上し、2019年11月からの衝突被害軽減ブレーキ性能の要件強化にも対応している。更に、ふらつき注意喚起措置「ドライバーアラートサポート」、車線逸脱警報装置「LDWS」、車両安定制御装置「UDSC」も導入。ヘッドランプ(ロービーム)には、省電力・長寿命のLED(発光ダイオード)を採用した。 排気量11リットルの「GH11型エンジン」は、燃料噴射システムの刷新を図った。全車種で「2016年(平成28年)排出ガス規制」をクリアしたほか、「重量車燃費基準+5%」を達成。大出力(馬力)も三つのエンジンバリエーション全てで10馬力向上させた。アクセルを踏み込んでも一定以上の急加速を制限する「アクセラレーションリミッター」、テレマティクス機能による省燃費運転アドバイス機能「燃費コーチ」も搭載している。 また、車高の調整機能を備えるエアサス搭載車は調節幅を拡大。中立状態から荷台床面の高さを上方へ140ミリ調整できるようにし、プラットホーム上の作業性を高めた。左右の車高差を自動調整する肩荷調整機能、フェリー航送時に車体の揺れを抑えるモードも設けた。高張力鋼を使ったシャシーフレームは、上面をリベットレスとするとともに、キャビン後端までストレートな形状を保たせて架装性をアップしている。 【写真=高張力鋼を使うことで車体の軽量化を図り、積載量は最大で200キロ増】