JR貨物/前期、民営化以来 最高に 鉄道部門 ついに水面浮上
物流企業
2017/04/10 0:00
日本貨物鉄道(JR貨物)は5日、グループ社長会議を開き、2017年3月期決算で営業利益が鉄道事業部門で数億円、不動産など関連事業部門では100億円超、純利益は110億円に上るなど、国鉄分割民営化以来、過去最高の業績となる見通しを明らかにした。 石田忠正会長は「正確にはもう少し待たなければならないが、鉄道事業の黒字化という長年の悲願を達成した。単体では数億円の黒字だが、事業別収支の公表を始めて以降、初めてのこと。16年3月期が33億円の赤字、7年前の赤字は100億円超。ついに水面に浮上した」と、グループ各社の貢献をたたえた。更に、「国鉄末期、貨物鉄道の赤字が毎年数千億円に及んだことを考えれば隔世の感だ。多大な努力を積み重ねてきた先輩たちに心からの敬意を表したい」と語った。 その上で、石田氏は不動産など関連事業が好調に推移し、営業利益が100億円を超え、単体全体では経常利益が80億円、純利益は110億円を超える見通しを示した。連結業績では、鉄道事業が営業利益10億円、経常利益90億円超、純利益120億円に上る。 また、「我々は明らかに歴史の転換点に立っている。総勢53社、1万1千人。総売り上げ2千億円、経常利益100億円以上を持続的に生み出す企業グループに成長し、上場を含む真の自立を目指す」と強調。「自信と夢を持ち、新しい30年をつくっていこう」と呼び掛けた。 田村修二社長は「黒字の達成はグループ会社の協力のお陰だ。皆で喜びを分かち合いたい。国鉄改革から30年。『どうせ3年でつぶれる』などと言われてきたが、それらを乗り越えてここまできた。歯を食いしばってきて良かった」と述べた。(高橋朋宏) 【写真=営業利益は鉄道事業部門で数億円に上る】