日輪、脱着可能タンクコンテナ 13キロリットル 運行効率向上
物流企業
2017/04/10 0:00
日輪(永井元章社長、東京都中央区)は17日の週をメドに、容量13キロリットルのISOタンクコンテナを積載した車両を稼働させる。脱着可能なタンクコンテナを活用することにより、車両の運行効率をアップさせるとともに、ドライバーの確保難時代への対応を加速。荷主に対して安全性や品質保持など各種メリットを説明しながら、13事業所に属す12キロリットルのタンクローリーのうち120~130台を順次切り替えていく。(沢田顕嗣) タンクコンテナは漏洩(ろうえい)や洗浄不備など不具合が発生しにくい上、1室仕様なので洗浄が容易かつ積み込み時に液体があふれ出るオーバーフロー事故のリスクを大幅に軽減できるとして、現場から導入を求める声が以前より上がっていた。しかし、吐き出し口が後方の1カ所のため、積み下ろし時における駐車の体勢と位置がローリーと大きく異なるほか、ポンプ仕様の場合は駆動方法が複雑になるという問題点があった。 同社はローリーの設計・製作などを手掛けるグループ会社(サンマシ)と連携し、ISOタンクコンテナ積載車両の製作に6年前から着手。ローリー輸送と同等以上のオペレーションを目指し、現場の意見や要望並びに顧客の要請を踏まえて開発にこぎ着けた。 吐き出し口を後方とシャシー中央部左右の計3カ所に設けるとともに、左右の吐き出し配管をポンプより前方に設置。また、ポンプから左右吐き出し口までの配管を傾斜させて残液を減らす工夫を凝らしたのに加えて、ブロックベアリングのみで施工してメンテナンスの負担を抑えている。 更には、車両更新時における工事費用と工期がローリーの半分以下な上、現行と同レベルの大積載量を確保できる点も特長に挙げる。同社の別注による容量13キロリットルのISOタンクコンテナを使用することで、全長が3340ミリ、タンク内の大積載量は1万700キログラムになるという。 なお、ポンプと配管を設置したジョイントベースは特許を申請しているほか、外販ニーズにも対応する。 渡瀬浩一執行役員は「現場からの声を起点に、営業サイドの意見も取り入れ、当該仕様の完成に至った。ただ、これが完成形ではない。お客さまの要望や要請に応じ、更に進化させる。サンマシのファンをどんどん増やしていきたい」と話している。 【写真=車両更新時における工事費用と工期がローリーの半分以下に】