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四国地区物政懇、労組「送料無料是正を」 四運局 関係省庁と連携しながら対応

団体

2017/04/10 0:00

 【香川】四国運輸局と四国4県のトラック協会、労働組合が業界が直面する課題について話し合う四国地区物流政策懇談会が3月28日、高松市で開催された。労組側は四運局に対し、適正運賃料金の収受や荷主勧告制度の実効性確保など6項目について質問。一部の通信販売事業者が打ち出している「送料無料」について、労組側が是正の必要性を指摘したのに対し、四運局は「実際には運賃収受は行われており、販売促進の一つとして打ち出されているものとみられる。関係省庁と連携しながら対応していきたい」と回答した。  四国トラック協会連合会の粟飯原一平会長は「行政機関も時代の変化に対応して欲しい。我々の要望は規制緩和に関するものが多く、聞きにくいとは思うが、(できない理由が)理にかなえば無理は言わない。我々も働き方改革にも前向きなスタンスで取り組んでいきたい」と述べた。  これに対し、四運局の瀬部充一局長は「若い人に業界に来てもらえるよう準中型自動車免許も始まった。行政としていろんなことをしていくのは当然で、業界が健全発展する方向に皆さまと一緒に進んでいきたい」と語った。  また、運輸労連四国地連の窪田司委員長は「労働時間の規制が進むことで賃金は目減りする。労働生産性を上げて魅力ある業界にしていく必要があり、適正運賃収受は基本。契約書面化も進めて欲しい」とした。  労組側の質問のうち、荷主勧告制度について四運局は「是正措置の勧告や社名公表は既に行っているが、トラック事業者が行政処分を受けた段階で勧告が行われることが多い。違反の早期段階で、荷主に指導を行えるような制度を検討している」と回答した。  更に、労組側が「不適切な運行の背景に利用運送事業者の無理な依頼がある」と指摘したのに対し、四運局は法令に対する理解が不十分な一部の利用運送事業者に講習会への参加要請や監査を行うほか、地方運局に適正取引窓口を設け、相談案件については重点監査を実施していると伝えた。ただ、利用運送事業者はコーディネートの役割を果たしており、一律に規制すると実運送会社にも不便が及ぶと述べた。  一方、大型トラックの駐車スペースを拡充して欲しいとの要望について四運局は「労働環境改善のために必要。上部機関に上げていきたい」とした。(江藤和博) 【写真=「行政機関も時代の変化に対応を」と四ト連の粟飯原会長】





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