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三菱地所、ロジクロス厚木竣工 関東初の単独開発

産業

2017/04/06 0:00

 三菱地所は3月31日、物流施設ロジクロス厚木(神奈川県厚木市)の竣工式を行った。マルチテナント(複数企業入居)型施設だが、三鷹倉庫(鷹野衛二社長、大阪市生野区)が1棟借りし、主にサブリースする。三菱地所の単独開発による物流施設としては関東初の物件で、今後、大都市圏を中心に年間2~4件ペースで建設を進めていく。(吉田英行)  東名高速道路・厚木インターチェンジ(IC)から2.5キロ、小田原厚木道路・厚木西ICからは0.9キロ、国道129号からも1キロと交通アクセスに恵まれ、首都圏広域に加え東海、関西地方への配送も可能な好立地。2018年度には新東名高速道路も開通予定で、更なる利便性向上が見込まれる。  敷地面積1万4700平方メートル、4階建てで、延べ床面積2万9900平方メートル。1階に大型車が接車可能なトラックバースをL字型に設けた。床荷重は1平方メートルたり1.5トン、はり下有効高5.5メートル以上、柱スパン10メートル以上を確保。全館にLED(発光ダイオード)照明を採用している。  倉庫スペースは最大3区画まで分割可能で、各区画に荷物用エレベーター、かご車・パレット兼用垂直搬送機を取り付け、効率的な作業が行えるようにした。施設内で働く従業員に配慮し、各倉庫区画に喫煙室、休憩室、給湯室を用意。トラックドライバー用の男女別トイレも完備している。  庫内の高さ表示板や屋外の歩行者通路は、ブランドカラーの「ロジクロスブルー」で塗装。建物は外壁だけでなく、雨どいにもブランドカラー塗装を施すなど、細部のデザインにもこだわった。また、同社が再開発を進めている丸の内エリアのオフィスビルで使用していたOAフロアパネルを事務所の床面に再利用し、環境に配慮。更に、非常階段にはオフィスビル並みの安全基準を採用するなど、三菱地所がオフィスビル開発で培ったノウハウを随所に取り入れている。  三鷹倉庫は自社の拠点として使うほか、マルチテナント型倉庫としてサブリースする。現在、機械類を扱うテナントの入居が既に決まっており、その他の企業からも多くの引き合いがあるという。  三鷹倉庫では「一昨年から倉庫賃貸事業の拡大を目指し社内体制を整えてきた。ロジクロス厚木の立地優位性を最大限に生かし、関東エリアの重要な経営基盤として育てていきたい」としている。  三菱地所では今後、関東、中部、近畿の大都市圏を中心に、物流施設開発を進めていく。神奈川県内では、ランプウェー付きの大型施設をはじめ、複数の開発を計画している。 【写真=オフィスビル開発で培ったノウハウを取り入れ】





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