国交省/次世代運行管理検討会、WGを来月立ち上げ 普及ロードマップ策定
行政
2017/04/06 0:00
国土交通省は、次世代運行管理・支援システムの課題を再整理するため、自動車・自動車機器メーカーとトラック、バス、タクシー事業者の業界団体で構成するワーキンググループ(WG)を5月に立ち上げる。2017年度末までに普及・義務化のロードマップを策定する。 3月29日の「次世代運行管理・支援システムについての検討会」(永井正夫座長、日本自動車研究所所長)の会合で、検討会の下に設置する次世代運行管理WGの概要を明らかにした。WGでは、「瞬間速度」「運行距離」「運行時間」の運行記録計の法定三要素以外に、次世代型運行管理機器に必要な要件を検討。14年度に策定した運行記録計の普及・義務化ロードマップを見直し、次世代運行管理システムに関する新たな工程表を取りまとめる。 会合では、16、17年度の2カ年をかけて進める「ビッグデータ活用による事故防止対策推進事業」の実証実験(16年度)について事務局が報告した。 ドライバーの体調を加味した事故防止運行モデル(体調予報)を構築するため、トラック3社、バス2社の計238人のドライバーを対象に、デジタル式運行記録計のデータ(運転時間、走行距離、休憩時間など)と、ドライバーの体重、身長、睡眠状況を収集。ドライバーの主観に基づく5段階の疲れ度合いと予報の一致率を確認したところ、完全一致率は53.4%と、目標の60%以上に届かなかった。 課題として①予報精度を高めるためには多様な運行パターンのデータが必要②生体・健康情報などとの連携③管理者の負担感を極力軽減――を挙げた。17年度の実験では、当初想定した「1万人のデータ収集を目指す」ことなどを確認した。 更に、「デジタル式運行記録計」導入ガイドラインを策定。16年1月に長野県軽井沢町で発生したスキーツアーバス事故を受けたもので、貸切バス事業者が対象となる。ただ、デジタコの特徴から事業者での活用と効果、導入時のポイントなどが盛り込まれており、トラックや乗合バス、タクシーなどでも活用できる。(田中信也) 【写真=ビッグデータ活用の実証実験結果を報告】