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甲西陸運、新本社とセンター竣工 顧客ニーズ応え事業拡大

物流企業

2017/03/30 0:00

 【滋賀】甲西陸運(甲斐切稔社長、滋賀県湖南市)は新本社と物流センターを19日から稼働させた。2015年から取り組んできたスクラップ・アンド・ビルドの一環で、同日開いた竣工披露式典で、甲斐切社長は「時代に合わせた新鋭施設として運営し、顧客のニーズに応えることで、更なる事業拡大につなげたい」と抱負を語った。(小菓史和)  本社社屋は、鉄骨造り2階建てで、延べ床面積840平方メートル。省エネ型空調システム、LED(発光ダイオード)照明、電力監視装置を備えるとともに、情報セキュリティー対策も大幅に強化した。旧社屋は1972年の竣工で、老朽化が進み、事業の拡大に伴って手狭になっていた上、急速に進むIT(情報技術)化への対応が課題となっていた。  物流センターは、鉄骨造り3階建てで、延べ床面積1万1516平方メートル。自動入荷垂直搬送機2基、垂直搬送機1基、2.5トン積みエレベーター1基を設置した。入出庫がスムーズに行えるよう、入荷専用の4バースを設けると同時に、大型車20台が同時に着けられるプラットホームを備え、1日当たり大10万才(2782.6立方メートル)、大型車75台分の出荷に対応する。  害時の機能維持に配慮し、バッテリーフォークリフトを活用した非常用電源装置「KEEPs」を3基導入。屋上には高効率太陽光発電システムを取り付けた。  甲斐切氏は「創立50周年から4年、こんなに早く新本社を披露できるとは思っていなかった。皆さんのお陰であり、これまでの力添えに感謝したい。環境保全や労働環境の改善にも配慮し、次代へとつなぐグループ全体の拠点として活用することで、これからも荷主と地域社会に貢献したい」と述べた。  荷主を代表し、スナックフード・サービス(宇都宮市)の一山幸市社長は「甲西陸運は、戦後の経済発展と共に大きく成長され、時代の要請に次々と応えてきた。当社の輸配送に大きく貢献される一方で、環境関連ビジネスにも積極的に取り組まれている。大幅な生産性アップにつながる機能を備えた新センターを生かし、これからも地域に愛される企業となられることを祈念している」と祝辞。  また、滋賀県トラック協会の田中亨会長は「大変立派な施設で驚いている。『咲いた花を見て喜ぶなら、咲かせた根元の恩を知れ』という言葉がある。青木善政会長をはじめ、多くの皆さんの努力の成果がこの施設。地元運送業界のリーダーとして、ますます成長されることを願っている」とエールを送った。  この後、鏡開きに続き、NECライティング(東京都港区)の紙屋司社長の音頭で乾杯、祝宴に移った。青木氏は、地域の交通安全事業に役立ててもらうため、竣工を記念して湖南市に100万円を贈呈したことに触れ、「竣工を迎えられたことは、創業者として大きな喜び。事故防止は運送に携わる者の務めであり、これからも安全第一で地域と社会に尽くしたい」と謝辞を述べた。 【写真=本社社屋(手前)と物流センター(奥)】





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