誠和梱包運輸、中継地点で乗り換え 拘束時間を削減
物流企業
2017/03/09 0:00
誠和梱包運輸(畦淳造社長、広島県呉市)は、労働時間の改善基準告示を順守するため、車両の乗り換えを実験的に行っている。トレーラのシャシー交換ではなく、自社所有の単車の乗務員を中継地点で入れ替える方式。2017年1月から特定の営業所で部分的に実施しているが、様子を見ながら拡大を検討する。 乗り換え輸送は、関東、九州を出発した車両が中継地点の広島県東広島市で合流。関東からの乗務員は関東行きの、九州の乗務員は九州行きの車両に乗り換え、拘束時間を削減する仕組み。 同社は長距離輸送の比重が高いが、中継拠点の数も多く、コンプライアンス(法令順守)を徹底するために試験的に取り組むことにした。 畦社長(56)は「多くの運送会社が長距離から撤退していく中で、乗り換え輸送を広げて長距離輸送を存続することができれば差別化につながる。今後は営業所の休憩施設の改善も考えていきたい」と話している。 負担が減れば乗務員の賃金も目減りすることになるが、畦氏は「そこは業務命令だから仕方がない」と話す。しかし、人材確保のために給与アップにも力を入れており、「乗務員の厳しい現場を荷主に説明しながら運賃交渉している」という。(江藤和博) 【写真=法令順守を徹底するため試験的に取り組む】