茨ト協/将来ビジョン策定委、業界PR 新会館活用を トラックの日や防災対策
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2017/03/09 0:00
【茨城】茨城県トラック協会(小林幹愛会長)は1日、将来ビジョン策定委員会(小倉邦義委員長)の最終会合を開いた。高校新卒や女性を確保するための雇用対策や、適正運賃収受に向けた取り組みについて意見を交わした。(谷本博) 小林会長は「宅配事業を中心として、物流業界は大きな転換期を迎えている。労働力確保に向けた具体的な打開策など、最後に言い残すことの無いよう、発言して欲しい」と呼び掛けた。 小倉委員長は「物流が壊れる」をテーマにした週刊東洋経済3月4日号を掲げ、「ドライバー確保を中心とした対策が喫緊の課題となっている。業界内だけでなく社会問題化していることは、荷主など取引先にも理解を得られやすい側面もある」と指摘。 出席者からは、高校新卒をターゲットにした求人方法や、女性ドライバーや高齢者の雇用確保について、「事業者側と求職者側とのギャップをいかに埋めていくかが課題」などの意見が上がった。 また、荷主に運賃値上げ要請を行い、合意に至らなかった2社との取引を中止した委員は「中止直後は売り上げが減ったが、新規荷主を獲得できたので、現在は当時の売上高を上回っている。運賃の値上げ分をドライバーの給与に反映したことで、応募者が増え、今は充足している」と説明。 このほか、「住民などにもっとトラック協会の役割を知ってもらうよう、広報活動に力を入れるべき」との発言があったほか、5月に竣工する新会館を有効に活用し、トラックの日などのイベント開催や防災対策を含めた業界アピールについての意見もあった。 同委員会は、新会館の使途と併せ、茨ト協の今後の在り方を探るため、2016年度の特別委員会として設置。今回は6回目となる。 小倉氏は同委員会の在り方について、「常設委員会であれば、提言されたことを継続審議できるため、今後は総務委員会の下部組織として設置することも検討すべきでは」と指摘。最終結果の内容を冊子にまとめ、3月29日に開かれる理事会に上程する予定。 【写真=東洋経済を開き、「ドライバー確保を中心とした対策が喫緊の課題」と話す小倉委員長】