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札幌市&物流事業者など、路面電車で貨物配送 車両貸し切り実証実験

団体

2017/03/06 0:00

 札幌市や北海道運輸局、物流事業者などで構成する札幌都心交通研究会(広川雄一会長、札幌四番街商店街振興組合理事長)は2日、荷物の配送に路面電車(市電)を活用する実証実験を行った。商業施設などが集中する市内中心部で、荷物を届けるために路上駐車するトラックを減らして渋滞を緩和するとともに、歩行者が歩きやすい安全な街づくりを進めることが狙い。  実証実験は、市電1両を貸し切って行った。午前9時、ヤマト運輸札幌ベース(札幌市厚別区)から台車3台分(2トン車のおよそ4分の1)の貨物を載せたトラックが出発。その後、市の電車事業所で市電に乗せ換え、西4丁目降車専用場へ向かい、降車場で待機していた同社スタッフが三手に分かれて①繁田園ビルと日本旅行札幌ビル(南1条西4丁目)②愛生館ビル(南1条西5丁目)③郵政福祉札幌第一ビル(同)――へ台車を使用して配送した。  実証実験の終了後、札幌大通まちづくり会社の服部彰治統括部長が報道陣の取材に応じ、「市内中心部の一般停車車両の6割を貨物車が占めている。共同配送の一つの方法として、市電による配送は効果的。検討や検証を重ね、段階を踏みながら実用化を目指していきたい」と話した。  また、ヤマト運輸札幌主管支店の中出正宣営業企画課長は「我々、物流事業者は公共の道路を使用して荷物を運んでいる。街の景観や安全、二酸化炭素(CO2)の削減など環境に配慮した取り組みを進めたい。1社だけでなく、多くの運送事業者に広がって欲しい」と強調。一方で、「実証実験では、仕分け済みのものを配送したが、実用化には貨物の仕分けを行う一時保管場所が必要」と課題も挙げた。(岡杏奈) 【写真=降車場で待機していたスタッフが台車を使用して配送】





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