中部運局、航空貨物「需要創出」へ実証実験 セントレア 物流面の課題探る
行政
2017/03/06 0:00
中部運輸局は、中部国際空港(セントレア、愛知県常滑市)で農水産品・食品の輸出を促す実証実験を行い、航空貨物の需要創出や地元産品の輸出促進につなげる。アジア向けの輸出を試行的に行い、物流面の課題を抽出。実験を通じ、本格的なビジネスとして確立させる。1日、中部運局が発表した。 中部運局によると、現在、セントレアからアジア31都市に向け、フレーター(貨物専用機)10便を含む週253便が運航。国土交通省航空局や中部運局では、中部圏で生産される日本酒や農水産品の輸出拡大を目指すとともに、セントレアの需要拡大に向けた検討を進めており、今回の実証実験で弾みを付けたい考えだ。 実験は2、3月にかけて実施。供給者への支援などを通じ、これまで主に海上輸送されていた日本酒や市場開拓を進めたい農水産品の航空輸送を促進する。2月には、那覇空港(那覇市)を経由して香港向けに、日本酒や調味料などを混載して運んだほか、イチゴやミニトマトなどの農産品を直行便で輸出。今月2日には、ワイン、みそなどを混載して直行便で輸送した。 セントレアまでの輸送費や航空運賃などは、国交省航空局が負担。物流企業からは、日本通運やセイノースーパーエクスプレス(松原茂範社長、東京都江東区)が参加している。 本格的な輸出に向けて、ブランド産品の知名度向上を図るとともに、物流面の課題を探る。直行便だけでなく那覇空港経由の便もあることから、双方のリードタイムやトータルコスト、輸送品質などを検証。農水産物の鮮度を保持する専用容器の必要性などについても検討する。(土屋太朗) 【写真=アジア31都市に向け週253便が運航=中部国際空港提供】