全ト協青年部会/全国大会、安心できる基盤確立へ 女性活用など 人手確保対策学ぶ
団体
2017/03/02 0:00
全日本トラック協会青年部会(山本明徹部会長)の全国大会が2月24日、東京都で開かれ、全国9ブロックから730人が出席した。独自に若手ドライバーの採用活動を続ける事業者を集め、人手確保をテーマにしたパネルディスカッションを実施。女性活用や教育による品質向上など、多様な切り口から人手確保・育成対策を学んだ。 山本部会長は「若手ドライバーの減少と高齢化など運送事業者の労働を巡る環境は、この数年間で大きく変化してきた。現場を知る若手経営者として、我々は情報発信を続けているが、多くの方々が耳を傾けてくれる。これは諸先輩を含めたヒューマンネットワークの力だ。ドライバーだけでなく、その家族も安心して生活できる経営基盤を確立していきたい」と述べた。 全ト協の星野良三会長は「今は政治・経済共に安定期に移行しつつあり、以前より経営環境がいい。『業界は駄目だ』という言葉は禁句として、頑張って欲しい」と呼び掛けた。これに続き、自民党青年局長の鈴木馨祐衆院議員のほか、国土交通省自動車局の加藤進貨物課長があいさつした。 「青年経営者等による先進的な事業取り組みに対する顕彰」表彰式では、金賞に輝いた東京都トラック協会足立支部青年部(野山貴裕部長)などに、星野会長が賞状と賞金目録を手渡した。表彰後、足立支部青年部と、銀賞を受けた群馬県トラック協会青年部会(堀越泰穀部会長)が、それぞれの取り組みである「足立式ドライバーコンテスト」と「ドラマップ群馬」について説明した。 続いて、自動車教育課程を有する高校への整備実習用トラック寄贈式を行い、山本部会長が希望が丘高校(福岡県中間市)の安部幹也教諭にレプリカキーを手渡した。 研修では、特定非営利活動法人(NPO)福岡県就労支援事業者機構の野口義広理事が、非行少年などを採用し、更生保護活動を行う「協力雇用主」制度について講演。経営するガソリンスタンドで少年や少女たちが更生する姿を説明し、制度への協力を呼び掛けた。 また、日本PMIコンサルティングの小坂真弘社長をコーディネーターに「トラック運送業界における人材確保対策」をテーマとしたパネルディスカッションを実施。三福運輸(新潟県新発田市)の五月女奈緒美社長、丹羽商(愛知県豊田市、丹羽享社長)の丹羽悟専務、道前運送(愛媛県西条市)の森川公社長が参加し、各社の雇用対策や従業員教育について説明した。(佐々木健) 【写真=整備実習用トラック寄贈式でレプリカキーを手渡す山本部会長(左)】