東京港運送、埼玉・日高にセンター 総合物流へ新たな一歩
物流企業
2017/02/27 0:00
【東京】東京港運送(田中秀明社長、東京都練馬区)は16日、埼玉県日高市に「日高営業所・日高物流センター」を開設した。同社初の自社倉庫と日高営業所を併設するもので、創設以来63年にわたって輸送専業で展開してきた同社が倉庫業に積極的に進出。「100年企業」を目指し、総合物流企業としての新たな一歩を踏み出した。 1908年(明治41年)に豊島区池袋で創業したマル池運送店を源流に、52年に設立された同社は、63年にグリコ協同乳業(現グリコ乳業)の配送を請け負ったことを契機に食品輸送にシフト。グリコ乳業の業務の一部が名糖運輸に移ったことを受け、これまでの昭島営業所(東京都昭島市)に加え、2012年に名糖運輸の日高物流センター内に日高営業所(埼玉県日高市)を開設した。 昭島からの転籍者だけでスタートした日高営業所だったが、従業員40人、車両40台と規模が拡大する中、プレハブ造りでは手狭になり、労働環境改善の観点から移転を計画。候補地を探す中、近隣の農地が候補に挙がった。 しかし、開発が著しく制限される市街化調整区域だったことから、建設を担当したエム・ケー(小林勁社長、東京都日野市)が日高市と調整。都市計画の特例措置の適用が認められることになった。ただ、営業所としての開発は不可能だったため、「次の世代への事業承継の観点から倉庫業への展開も避けて通れない」(田中社長)として、倉庫業への進出に踏み切った。 センターは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・狭山日高インターチェンジから3分の好立地で、土地建物ともに同社が保有。敷地面積が5300平方メートル、建物の総延べ床面積は1575平方メートル。倉庫棟は延べ1300平方メートルの平屋建て。管理温度はセ氏5度を基本に上下2度のチルド帯に設定する。 トラックバースは大・中型用4、4トン車専用5、小型用1の計10台分を整備。120パレットが収容できるスライドインラックと300パレット収容の固定ラックを備えている。 16日に行われた開所式で田中氏は、創業以来の同社の歴史を紹介した上で、「『輸送』『保管』『仕分け』の3業務がそろうことで物流の醍醐味(だいごみ)を社員が感じられる、と考えて倉庫業への進出を決断した。利益を上げる以上の『何か』をここから生み出したい」と抱負を述べた。(田中信也) 【写真=大・中、4トン、小型専用の計10台分のトラックバースを整備】