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SBSHD、高級ワイン物流を拡大 軽貨物 宅配強化、段階的に増車

物流企業

2017/02/23 0:00

 SBSホールディングスは高級ワイン物流を強化する。グループのSBSロジコム(鎌田正彦社長、東京都墨田区)が手掛けるワイン物流事業が好調なことから、2017年12月期に専用倉庫の新設も念頭に事業を拡大していく。また、特定荷主(アマゾン・ジャパン)向けの宅配事業にも注力し、現在稼働している160台ほどの軽貨物自動車を今後、300台へと段階的に増車していく。17日に開かれた2016年12月期の決算説明会で、鎌田社長が17年12月期のグループ経営方針について説明した。  同社は15年秋から中・上級の高級ワイン「ファインワイン」の物流マーケットに本格参入、輸入から物流加工、保管、配送まで一括で請け負う「トータル・リーファー・システム」を開始。SBSロジコムが新杉田物流センター(横浜市磯子区)で展開しており、厳格な温度・湿度管理が求められる高級ワインの市場は、今後も拡大していくとの見通しの下、更なるサービス品質の向上を目指す。  また、SBS即配サポート(下山俊介社長、東京都江東区)がアマゾンジャパン(ジャスパー・チャン社長、目黒区)から受託している宅配事業では現在、160、車両数を200台、300台へと段階的に増車していく。  不動産事業では、大阪市住之江区と横浜市金沢区で、いずれも敷地面積が2万5千平方メートル、延べ床面積は5万平方メートルの規模の施設開発を進めるとともに、千葉県あるいは埼玉県で大型倉庫の建設構想を検討していく。  ITを活用した取り組みも加速させる。グループのウェブサイトを充実させたことが奏功し、SBSロジコムではサイトを通じた受注案件が15年度と比べ6倍(金額ベースで6億~10億円)に増大。この実績を踏まえウェブマーケティングをより強化していく。  更に、トラック輸送の生産性を高めることを目的に、独自に開発した車両動態管理「カスピアンプロジェクト」を5千台規模へ拡大する。SBSロジコムが千台の車両で実証実験を行っており、今年は実証車両数を5倍に増やし、本格運用に向けて弾みを付ける。  「ウーバーの物流版をイメージしている」(鎌田社長)。スマートフォン(スマホ)をドライバーに携行させることで、車両や貨物の情報をリアルタイムで把握。車両と荷物のマッチング機能なども開発するほか、将来的にはグループ外にも仕組みを開放する。スマホやアプリケーションは無償で提供し、業界の共通課題であるドライバー不足解消に向けて先頭に立つ。  鎌田氏はこのほかにも、決済代行やファクタリング機能の提供も検討中であることを示唆した。  こうした取り組みにより、17年12月期は国内物流事業の売り上げを1357億円(前期比3.0%増)に引き上げる。このうちサードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業が585億円(6.9%増)を占める見通し。(沢田顕嗣) 【写真=17年12月期のグループ経営方針について説明する鎌田社長】





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