大阪貨健保、厳しい財政状況続く 支出削減むけ努力
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2017/02/23 0:00
【大阪】大阪府貨物運送健康保険組合(井上泰旭理事長)は10日、組合会を開き、2017年度の一般保険料率を16年度から1000分の2引き上げ、1000分の105とすることを決めた。井上理事長は「指定組合となることを回避するには、依然として予断を許さない厳しい財政状況が続く」と強調し、理解を求めた。 一般勘定は、被保険者3万8400人、標準報酬月額32万4千円をベースに予算を編成。現行の料率1000分の103のままでは、国庫負担金や健康保険組合連合会(大塚陸毅会長)からの財政調整事業交付金を見込んでも、一般保険料収入に占める給付所要額の割合(財源率)が114.2%と、支出超過になる。 試算によると、不足額の解消には料率を1000分の3引き上げることが必要だが、大幅な負担増につながるため、支出削減に努めることを前提に、引き上げ幅を最小限に抑制。準備金から1億1200万円を繰り入れ、198億6910万円を予算計上した。 一方、介護勘定は、準備金からの取り崩しを16年度の5千万円から1億円に増額。収支状況を勘案し、料率を1000分の20から1000分の19に引き下げた。予算は23億9717万円。 17年度も引き続き、保険料の納期内納入への対処などによる収入の確保、マッサージやあんま目的の柔道整復師受診の抑制など、適正な保険給付による支出削減、加入者の健康保持と増進につながる保険事業に努める。一方、事務処理体制の適正化と迅速化を図り、より良質な事務サービスを提供する。(小菓史和) 【写真=健康保持と増進につながる事業に努め】