国交相、ドライバーと意見交換 働き方改革 「現場の声」施策に反映
行政
2017/02/23 0:00
国土交通省は17日、長時間労働の解消を目指す「働き方改革」の実現に向け、石井啓一国交相とトラックドライバーとの意見交換会を開いた。勤務内容や荷待ち時間の実態など「現場の声」を聞き、同省の施策に反映させる。ドライバーからは、休憩スペースの確保を求める声や、労働時間が短くなることで賃金が減ることを不安視する意見が上がった。(土屋太朗) 参加したのは、ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)、福山通運、大昌運輸(山本明徹社長、足立区)、藤倉運輸(藤倉泰徳社長、同)、結城運輸倉庫(結城賢進社長、江東区)、長野フロー(高木真社長、長野市)のドライバー計6人。うち、藤倉運輸と長野フローの二人は女性だった。 荷待ち時間に関し、「配車係が管理するなど輸送形態によっては起きない」とする一方、「夏場の飲料配送などは6、7時間発生している」との報告があった。女性ドライバーからは「配送先の工場はトラック1台ずつしか荷物を下ろせないので、1、2時間発生している」と説明された。 また、長距離ドライバーが「夜間輸送が多く、パーキングエリアでは高速道路の深夜割引を待つ車両が増えて、休憩場所が無い」と言及。このほか、トイレや駐車スペースを探すのに苦労するといった声もあった。 女性の就業促進については、女性ドライバーが「運送事業者は経験者を採用するイメージが強いが、業務経験の無い人を取り込む必要もあるのではないか」と指摘。長距離ドライバーからは「労働時間が短くなると給料の減少に直結し、生活が厳しくなるのでは」と懸念する意見が出た。 冒頭、石井国交相は「トラック業界は日本経済と国民生活を支える重要な産業だが、労働条件が厳しく人手不足になっている。長時間労働の是正に加え、若年者や女性が入りやすい環境をつくる必要がある」とあいさつ。会合の終了時には「ドライバーの皆さんの声を踏まえて、働き方改革の取り組みの参考にしたい」と強調した。 【写真=ドライバー6人が参加】