ゼロ、働き方改革へ効率化推進 年内 中継輸送の検討開始
物流企業
2017/02/20 0:00
ゼロは働き方改革実現に向け、輸送効率化の取り組みを一層進める。2017年中に中継輸送の検討を開始するとともに、引っ越しに伴うマイカー輸送の簡素化や輸送と荷扱いの分離、自走納品の見直しなどに着手。物流を複雑化させている業務の運用方法を見直すことで、ドライバーの労働条件改善につなげていく。15日に開催した2016年7~12月期の決算説明会で、北村竹朗社長が明らかにした。(吉田英行) 引っ越しに伴うマイカー輸送ではこれまで、車両の引き取りと、引っ越し後の新居への納品を行っていた。新たな取り組みでは、マイカー所有者自身にディーラー店舗まで乗ってきてもらい、新居ではなく引っ越し先の最寄りの販売店に納品する。今年の繁忙期から、東京と大阪の日産自動車販売店で試験的に始める。 輸送と荷扱いの分離も進める。例えば、中古車オークション会場ではドライバーが対象車両を広大な会場内から探し出し、回送してトレーラに積み込んでいる。今後、輸送以外の業務については別のスタッフに担当させ、ドライバーの負荷を軽減。モーターショーなどで展示されるレースカーやイベントショーカーは、会場搬入までの長時間機解消を目指す。 更に、完成車を顧客に直接納品する自走についても見直しを図る。物流を複雑化させる原因になっている上、協力会社のアルバイトドライバーが乗務するため、身だしなみや応対などがクレームにつながることも少なくないためだ。 同社の完成車陸送は年間500台で、このうち自走は25%を占める。ウェートの高い自走の在り方を見直すことで、効率化と品質向上に結び付ける。 こうした取り組みを効果的に進めるため、まず全国を5ブロックに分け地域子会社を集約。16年7月に設立したゼロ・プラス関東(般若真也社長、川崎市幸区)に続き、17年12月までに各ブロックに新会社を置く。 続いて18年1月をメドに、複雑化している協力会社の料金体系の見直しに着手。これらの効率化によって収益性を高め、ドライバーの労働条件改善と長期的な人材確保につなげたい考えだ。 北村氏は「乗務員の社会的地位を向上させない限り、新たな労働力は確保できない。なるべく早く労働条件を改善するために、効率化の推進で原資を確保したい」と話した。 同社の16年7~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比1.4%減の380億8800万円、営業利益は2.7%増の26億7700万円。 セグメント別にみると、主力の自動車関連の売上高は、日産自動車の軽自動車の販売台数の落ち込みや中古車輸出台数の減少が響き、5.5%減の278億9100万円と伸び悩んだ。 一方、一般貨物事業では収益性の高い港湾荷役の取り扱いが増え、7.3%増の28億7800万円。ヒューマンリソース事業も、地方での人材派遣の新規案件の受注などにより、15.4%増の76億9100万円と好調だった。 【写真=「効率化推進で原資を確保したい」と北村社長】