名神名阪連絡道、シンポで早期整備訴え 三栄運輸社長 物流効率化と産業振興
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2017/02/20 0:00
【三重】三栄運輸(三重県伊賀市)の山本貞夫社長は1月28日、滋賀県と三重県を結ぶ「名神名阪連絡道路」の早期整備を呼び掛けた。伊賀市で同日開かれた同道路のシンポジウムに参加。山本氏は、トラック事業者の立場から産業振興や地域活性化などのメリットを強く訴えた。 シンポジウムは、名神名阪連絡道路整備促進期成同盟会(岡本栄会長、伊賀市長)が主催し、伊賀市、名張市、滋賀県の各自治体関係者や地域住民ら650人が参加。三重県トラック協会(小林俊二会長)で副会長と伊賀支部長を務める山本氏は、沿線の各地域を代表するパネリストの一人として演壇に立った。 名神名阪連絡道は、名神高速道路の蒲生スマートインターチェンジ(SIC、滋賀県東近江市)と名阪国道の上柘植IC(三重県伊賀市)を南北につなぐ自動車専用道路として計画されている。同氏は「地域的には、住民同士の交流が深まり、通勤や就労の幅が広がるメリットがある。我々トラック事業者も、乗務時間短縮や燃料費削減などが期待できる」と強調。 その上で、「広域的なメリットも大きい。大阪南部の工業地帯から滋賀県内への納品は多く、名阪国道と連絡道を経由することで利便性が飛躍的に向上する。また、伊賀・名張地区から北陸方面へのアクセスも良くなるので、関西と北陸も含めた物流効率化と産業振興につながる」と述べた。 更に、「我々は、労働時間管理などのコンプライアンス(法令順守)で苦労している。連絡道が整備されることの意義は大きく、一日も早い完成を願っている」と締めくくった。 伊賀地区は名古屋と大阪からほぼ等距離に位置し、名阪国道は物流の要衝となっているものの、少子高齢化や過疎化が進み、観光誘致も含めた地域振興が課題となっている。 山本氏は「連絡道で滋賀県との交流が活発になれば、伊賀忍者と甲賀忍者、伊賀牛と近江牛など、名物をセットで対比させながらPRできる。また、土地はあるので、大学やスポーツ関連施設を誘致し、若者を呼び込むことも可能だ。物流だけでなく、地域全体の活性化のため、関係機関への働き掛けを続けたい」と話している。(星野誠) 【写真=熱弁を振るう山本社長】