国交省、次世代運行管理の在り方 DR一体型 活用強化
行政
2017/02/20 0:00
国土交通省は15日、次世代運行管理・支援システムの在り方として、車両から取得するデータの統一化を図り、ドライブレコーダー(DR)一体型デジタルタコグラフ活用し指導監督を強化する方向性を固めた。一方、「瞬間速度」「運行距離」「運行時間」の運行記録計の法定三要素やデジタコの技術基準は維持する。 同日開かれた次世代運行管理・支援システムについての検討会(永井正夫座長、日本自動車研究所所長)で、これまでの議論を踏まえ、課題を再整理した。 デジタコに最低限義務付ける事故防止を目的としたデータは、現行の法定三要素を維持。ただし、トラック、バス、タクシーの事業用自動車による事故を更に削減するため、ドライバーへの指導監督などの運行管理を行う上で活用すべきデジタコの機能、次世代デジタコについては「更なるデータの追加が必要か検討」との方針を示した。 事業者が一元管理すべき情報とその利活用の方法では、運行管理や健康診断、休息期間中のヘルスケアデータなどを活用する事故防止運行モデル構築するとともに、テレマティクスサービスを参考にした一元管理のメリットや事故防止の効果を把握する――とした。 次世代運行管理の実現に向けては、新たに次世代運行管理ワーキンググループ(WG)を設置。次世代デジタコについて、法定三要素以外の基本性能を検討するとともに、普及拡大に向けた取り組みを開始する。 また、ドライバーへの指導監督の内容強化に向け、DR一体型機器による、急ブレーキ・急加速といった「イベント」の記録や運転評価機能の活用について検討する。更に、高度な運行管理として、体調予報の実証実験を実施。WGでのこれらの検討結果を受け、方向性を取りまとめることで、18年度以降の指導監督の充実やドライバーの高度な健康管理の実現を図っていく。 なお、DRを活用した指導監督では「普段から適切な運転が行われているか確認し、必要があれば指導を行い、その指導が反映されているか確認」をポイントに掲げ、イベントの映像や数の推移を積極的に活用することを効率的・効果的な事例として示している。 一方、車両走行データを活用した運行管理の高度化では、OBD(車載式故障診断装置)ポート(入出力部)からのCAN(コントロール・エリア・ネットワーク)データの活用が「推奨できない」ことを確認した一方、インターフェース(接点)「rFMS」のようなテレマティクス装置やクラウドの活用に向けて海外の動向を注視。車両メーカーに対し、データの規格統一化に向けた検討を働き掛けていく。(田中信也) 【写真=次世代運行管理・支援システムについての検討会で課題を再整理】