新東名愛知区間開通1年、渋滞回数9割減 想定外の遅れ改善
産業
2017/02/16 0:00
新東名高速道路の愛知県区間開通により、東名高速道路・新東名の渋滞発生回数が9割減少するとともに、トラックドライバーの生産性が15%向上した。2016年2月13日に浜松いなさジャンクション(JCT、浜松市北区)―豊田東JCT(愛知県豊田市)がつながり、静岡県御殿場市と豊田市の間で、東名と新東名によるダブルネットワークが完成、渋滞緩和、地域活性化に貢献している。中部地方整備局、中日本高速道路名古屋支社(近藤清久支社長、名古屋市中区)などが10日発表した。(奥出和彦) 御殿場JCT(御殿場市)―豊田JCT(豊田市)の所要時間は新東名の利用で123分と、開通前(東名利用)の145分より22分短縮。同区間の年間の大型車交通量561万台で換算すると、開通前の年間1352万時間に対し、開通後は1149万時間と15%改善した。 渋滞状況では、並行する東名高速の三ケ日JCT(浜松市北区)―豊田JCTと開通した区間を合わせた開通後11カ月の渋滞発生回数は26回で、開通前11カ月の東名の同区間の381回から9割以上も減った。 また、御殿場JCT―豊田JCTの所要時間のバラツキが24分短縮し、時間信頼性が向上。物流事業者から「渋滞が緩和され、時間を予測できるようになったため、より確実な輸送が可能になった」「渋滞を見越した早出出勤が減り、ドライバーの負担が軽減した」などの声が上がっている。関東方面への自動車部品輸送では「東名の渋滞による平均1、2時間程度の想定外の遅れが改善した」という。 一方、新東名、東名沿線への工業用地の開発、分譲により、工場立地が促進。渋滞緩和を見込んだ進出もあり、12年1月から16年6月の累計で223カ所に上った。 ダブルネットワーク化により、東名での通行止め発生時には、新東名の交通量が2倍に増加。16年9月下旬から10月上旬に行われた東名集中工事時には、新東名をう回することで、一般道や中央道にう回する車両が減り、全体交通への影響が軽減した。 【写真=東名高速上り線・音羽蒲郡IC―岡崎IC=中部地方整備局提供】