TNS、永森運輸を子会社化 全国輸送ネット構築
物流企業
2017/02/13 0:00
タカネットサービス(TNS、西口高生社長、横浜市西区)は、海上コンテナによる飼料輸送などを手掛ける永森運輸(栃木県那珂川町)を買収、完全子会社化した。今後一年内をメドに、TNSグループの実運送会社、陸送ネット(同社長、京都府宇治市)に永森運輸を経営統合するが、当面は2社による「全国4拠点・稼働車両120台体制」で事業強化に取り組む。TNSグループは中古トラック売買及び新車リース事業を主力に事業展開しながら、2017年5月期の連結売上高100億円達成を目指す。(高木明) 永森運輸は1972年の設立で、資本金1千万円、従業員40人、売上高3億1200万円(2016年3月期)。牧草運搬や一般貨物運送を得意とし、栃木県大田原市内に保管面積2300平方メートルの物流倉庫を持つ。保有車両は約50台で、大型トラック11台、普通トラック12台、トレーラ(ヘッド)7台など。 一方、陸送ネットは10年10月の設立で、TNSグループの陸送及び整備メンテナンス事業などを主力にスタート。その後、15年7月に日本郵便輸送(本庄吉幸社長、東京都港区)の「指定陸送業者」となり、実運送に本格的に乗り出した。現在、大型トラック70台を保有し、全国輸送を手掛けている。 1日付で永森運輸との株式譲渡を終了。2社は経営統合後、郵便輸送を中心とした全国輸送ネットワークを構築していく。また、TNSグループが企画・開発した営業ナンバー対応の1年更新型新車リース商品「リースdeスグのり」のスキームを活用することで、整備費用の削減やドライバー確保などに役立てる。 TNSグループの連結売上高は56億円(16年5月期)で、今期はリースdeスグのりが好調なことから、2倍近い100億円に到達する見通し。1月21日には京都府八幡市の国道1号沿いに、隣接する車両センターと合わせ常時100台近くが展示できる小売り、レンタル向けの営業拠点となる近畿販売センター(敷地面積4950平方メートル)を新設した。 グループ会社を統括する西口社長は永森運輸の買収について、「このM&A(合併・買収)を成長の新たな起爆剤としていく」と強調。その上で、「グループ経営の安定・強化の観点から事業の多角化を積極的に進めていく。特に、実運送部門はM&Aを行いながら事業拡大を目指したい」と話している。 【写真=「全体としてはほぼ狙い通りの着地」と丸山社長】