横浜港/渋滞対策、情報管理システム導入 18年度 到着車両を即時共有
行政
2017/02/13 0:00
関東地方整備局は2018年度から、横浜港コンテナターミナル周辺の渋滞対策として南本牧ふ頭(横浜市中区)に情報管理システムを導入する。海上コンテナ輸送事業者など利用者の負担を抑えるため、出入管理情報システムで使用するPS(ポート・セキュリティー)カード、ETC(自動料金収受システム)などを活用したシステムを検討していく。(吉田英行) 8日開かれた、ICT(情報通信技術)を活用した横浜港輸送効率化検討会で、関東地整局が施策案を示した。 コンテナ船の大型化が進む中、横浜港ではターミナル周辺の渋滞悪化が懸念されている。同検討会は、ICTを利用してゲート処理、ヤード内荷役の効率化を図ることを目的に、16年12月に発足。国、市のほか、神奈川県トラック協会の海上コンテナ部会(藤木幸二部会長)、横浜港運協会(藤木幸夫会長)、倉庫業者などで構成されている。 今回の案では、車両番号、PSカード番号、コンテナ貨物番号をひも付けした管理システムを構築。ターミナル到着車両情報などをリアルタイムで共有できるようにし、ゲート処理、ヤード内荷役の効率化につなげる。 情報化ツールとしては、ゲート受け付けにPSカード、到着車両情報の把握にはETC1.0を使うなど、既存システムを活用する。 17年度後半にシステムの試験運用を開始。18年度の導入を目指す。システム要件、試験運用の方法は今後詰める。また委員からは、ヤード外のオフドックデポや集中管理ゲートの配置・運用に当たっては、「別途十分な検討が必要」との意見が出た。 ターミナルの渋滞対策では、東京港・大井ふ頭(東京都品川区)で3月から、車両待機場の設置と、車両誘導用のドライバーズカード発行が行われる予定。 横浜港で独自のシステムが構築されると、東京、横浜両港で別々のカードが必要となるケースも想定される。関東地整局では「利用者に新たな負担をかけないよう、総合的に判断していく」としている。 【写真=システムを導入する南本牧ふ頭=横浜市港湾局提供】