熊ト協&九運振興センター、人手不足の克服 講演会・セミナー開く
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2017/02/06 0:00
【熊本】熊本県トラック協会(住永豊武会長)は1月27日、熊本市で九州運輸振興センター(竹島和幸会長)と新春講演会・経営セミナー及び新春賀詞交歓会を共催した。新春講演会は、日本銀行熊本支店の竹内淳一郎支店長が「人手不足をどのように克服するか~熊本地震を例に」、東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏は「安倍政権と今後の日本~大激動の世界」と題してそれぞれ講演。 九州運輸局の佐々木良局長をはじめ県内の荷主企業、政財界から多くの参加があり、会場は熱気に包まれた。佐々木氏は「生産性向上への取り組みや物流の効率化などを推進していく上で、改善すべき点があれば、積極的に提案して欲しい」と述べ、運輸行政に反映したい考えを示した。 続いて、竹内氏は熊本地震に伴う復興特需について「内生的に景気が腰折れる要素は少ないが、数年後には必ず景気が減退する。その対策を練る必要がある」と強調。そのためにも、高齢者や女性の就業促進など生産性の向上、働き方の改革に取り組み、人手不足に対応していく必要性を指摘した。 また、長谷川氏は「米トランプ大統領の誕生で、国内外の経済に大きな影響が見られている」とし、今後の日本外交の在り方、不透明な世界情勢の動きについて解説した。 新春賀詞交歓会では、2016年10月に国土交通大臣表彰に輝いた藤木徳昭社長(藤木運送、菊池市)に住永会長から記念品が贈られた。藤木氏は「受賞は一つの節目微力ではあるが、業界発展のために尽くしたい」と謝意を示した。 住永氏は「熊本地震で全国から支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱい。緊急救援物資輸送の在り方で多くのことを学んだ。今、運送業界は人手不足と燃料高、コンプライアンス(法令順守)の徹底など『三重苦』に直面している」と述べた。 また、トラック輸送の取引環境・労働時間改善熊本県地方協議会(坂本正座長、熊本学園大学教授)で本格始動したパイロット事業に触れ、「長時間労働の抑制や適正取引の推進は、もはや社会的な問題である。運送事業がしっかりしなければ経済は成り立たない。若者や女性が働きたいと思える魅力ある業界にしたい」と述べた。(武原顕) 【写真=県内の荷主、政財界から多数参加】