宮古港フェリー促進協、フェリー展望示す 宮古―室蘭 新たな可能性PR
団体
2017/02/06 0:00
岩手県や宮古市、運輸関係機関・団体などで構成する宮古港フェリー利用促進協議会(山本正徳会長、宮古市長)は1月26日、盛岡市でセミナーを開き、2018年6月開通予定の宮古港(岩手県)と室蘭港(北海道)を結ぶフェリー航路の展望を示すとともに、新たな可能性をPRした。 山本会長や岩手県の達増拓也知事らのあいさつに続き、室蘭市の小泉賢一副市長が室蘭港の概要を説明。近年の貨物取扱量の推移や、フェリー航路の歴史、フェリーターミナル施設の設備などについて述べた。川崎近海汽船の岡田悦明フェリー部長は、新航路を展望。仙台―札幌の輸送で、青森港や八戸港、仙台港などを利用した場合の所要時間とコストを比較し、高速道路通行料金とフェリー運賃のバランスにおいて、同航路の利用メリットが高まる可能性があることを指摘した。 札幌大学の千葉博正教授は、新たな可能性をテーマに講演。北海道トラック協会(伊藤昭人会長)が、15年12月~16年1月にかけて実施したアンケート調査の結果を取り上げ、「是非利用したい」と「条件が合えば利用」を合わせた35%が前向きな回答をしているデータを示した。 また、鉄道貨物は、オホーツク圏、道北圏、十勝圏など、本州との定期航路開設港から遠いエリアで多く利用されている状況も報告。更に、岩手県内主要都市から商品を輸出する場合、仙台空港は便数が少なく、成田空港では陸上輸送のコストが高くなるなどの課題があることを説明し、宮古から室蘭を経由して新千歳空港を利用する輸送ルートの優位性について述べた。 千葉、岡田の両氏に加え、地域商社的な役割を果たす第三セクター・岩手県産(矢巾町)の田村均次社長らがパネリストを務めるパネルディスカッションも実施。航路開設による岩手県への効果を討議した。 田村氏は「北海道産品が、東京経由で岩手に入ってくる現状もある。北海道から東北への流れができ、新たなパートナーシップやバリューチェーンの構築を目指していければ」と期待を込めた。(今松大) 【写真=航路開設による岩手県への効果を討議】