日通、TokyoC-NEX竣工 自社最大の物流拠点
物流企業
2017/01/26 0:00
日本通運は、同社最大のマルチテナント(複数企業入居)型物流拠点TokyoC-NEX(東京都江東区)を完成させた。鉄筋コンクリート造りの5階建てで、延べ床面積は15万平方メートル。テナント企業が将来的にIoT(モノのインターネット)を取り入れることを想定し、大容量受電設備を導入した。総工費273億円を掛けた施設を、東京湾に面する城東地区のシンボル拠点と位置付ける。23日、関係者向けに見学会を開き、公開した。 C-NEXの敷地面積は5万9500平方メートル。フロア当たりの保管・作業エリアは2万3400平方メートル以上となる。 構造面では、床天井を支える梁(はり)の無い「アンボンドPCフラットスラブ構造」を採用し、床荷重1.5トンと天井有効高5.5メートルを確保。全フロアに車両がアクセスできるダブルランプウェー方式で、フロア中央部分に車路を配置した。2~5階は保管スペース1万1900平方メートルの北棟と、同8600平方メートルの南棟があり、44台分の接車バースを設けている。 1階南棟には両面バースを採用。日通トランスポート(渡部正人社長、豊島区)のほか、2015年に資本業務提携した名鉄運輸と名鉄ゴールデン航空(村山功社長、江東区)が入居し、アロー便など路線便のターミナル機能を併設する。 また、各テナントが将来的にIoT設備を導入することを想定。最大3500キロボルトアンペアの受電が可能な、大容量受電設備を取り入れた。 BCP(事業継続計画)対策では、9千リットルの燃料タンクを備えた出力1500キロボルトアンペアの大型非常用発電機のほか、震災から荷物を守る免震構造を採用。非常時には車両用の76キロリットルの軽油タンクの燃料も使用し、電力供給を絶やさず稼働できる。 23日に開いた見学会では、機能面だけでなく、半径15キロ圏内に鉄道・海上コンテナを扱う施設が立地し、東京港や羽田空港があるため、複合的な輸送モードに対応できることをアピール。篠原亨明・首都圏支店営業部次長は「城東エリアには、延べ床面積35万3100平方メートルに達する11拠点と車両、作業スタッフが控えている。あらゆる荷物の繁閑期に最適な配置で連携できる」と説明した。竣工式は2月1日。(佐々木健) 【写真=全フロアにアクセスできるダブルランプウェー方式】