国交省/「女性トイレの在り方」骨子、ハード・ソフト区分削除
行政
2017/01/26 0:00
国土交通省は、女性が輝く社会づくりにつながるトイレなどの環境整備・利用の在り方を3月末までに取りまとめる。新設や改修のタイミングで女性用トイレの拡充を図るとともに、汚れにくい素材を使用することや、管理者による定期的な清掃の実施などを盛り込む。(田中信也) 女性が活躍できる社会の実現に向け、交通・運輸業や建設業など所管分野でのトイレや授乳・調乳スペースの整備・利用環境を検討するため、「女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する協議会」(大森宣暁座長、宇都宮大学大学院教授)を2015年6月に設置した。 その後、テーマ別に立ち上げたワーキンググループで詳細な検討を行うとともに、アンケートを実施。1月20日、1年半ぶりに第2回会合を開催し、取りまとめに向けた骨子案を事務局が提示した。 当初予定していたハード的、ソフト的な項目の区分を削除。特有の検討事項が無いことから「観光地のトイレ」をカットするなど、よりシンプルで汎用(はんよう)性のある項目に絞り込んだ。 トイレに関しては①女性用トイレの行列解消②清潔性・快適性の向上③安全・安心の確保④トイレの情報発信⑤利用マナーの啓発――の大項目で構成。行列解消では、利用実態に沿った便器数の確保や洋式トイレの整備、パウダーコーナー・ルームの設置について、新設や改修のタイミングで個々の事情を踏まえつつ取り組むよう求めていく。 清潔性・快適性の向上に向けては、温水洗浄便座や擬音装置の導入を進めるとともに、便器や床、壁が汚れにくく、清掃しやすい素材の使用を促す。また、清潔さを維持するため、床などを水で流さない乾式の清掃を定期的に行うこととする。 安全・安心の確保では、監視カメラや防犯カメラの設置といったハード面の整備に加え、警備員の巡回新設・改修の際に人通りの少ない場所に設置しないなど設計の工夫を求めている。 今会合での委員からの指摘を踏まえ、修正を行った上で、3月に開催される次回会合で取りまとめを行う。 【写真=よりシンプルで汎用性のある項目に絞り込む】