ミドリ安全、「ワーク女子力」本格展開 安全保護具やユニホーム
産業
2017/01/19 0:00
ミドリ安全(松村不二夫社長、東京都渋谷区)は「働く女性応援プロジェクト」を本格的に推進し始めた。女性の活躍を促進する社会情勢を受け、物流や建設業界の現場で、女性が安全で快適に働ける環境づくりに寄与するのが目的。女性でも使いやすい安全保護具やユニホームなどを、現場の声を聞きながら開発し、「ワーク女子力」のブランドで展開している。(高橋朋宏) プロジェクトは2016年秋に本格始動。現場の従業員の高齢化や人手不足などで女性の活躍に期待が高まっており、同社は「女性の活躍は現場に新しい視点を提供し、業界の活性化、イメージ改革を図る上で極めて重要」としている。 ホームページ(HP)に新設したワーク女子力の特設サイトや冊子では、商品を紹介するとともに、「日本建築仕上学会女性ネットワークの会」会員による座談会の様子も紹介している。 池田和吉・プロジェクトリーダーは「これまで女性が使うユニホームや安全保護具、安全靴の多くは男性用の小さなサイズだった」と説明。使用しているユニホームや作業靴、ヘルメットの不満点について女性にアンケートを取ったところ、いずれも「フィットしない」との回答が最多だった。 新たなユニホームには、独自の裁断構造とソフトなストレッチ素材を採用し、美しいシルエットと機能性を実現。胸ポケットのペン差しの位置を工夫したり、サニタリー用品を目立たず収納するポケットを付けたりしている。袖部は新立体裁断構造、後腰部がイージーフレックス仕様で、手を上げたりしてもつっぱらず、背中やインナーウェアを見えにくくした。 ヘルメットも女性専用設計でしっかりとフィットし、ロングヘアーでもスムーズに着用できるよう後部の形状を工夫した。あごひもなどの内装は簡易着脱式。むれ対策として通気孔を設けた。 作業靴は「小さいサイズや足幅が狭いものが欲しい」との声に応え、細身の「ウィズ2E」をサイズ21センチから同社として初めて用意した。 ほかにも女性用ハーネスや革手袋、安全靴などラインアップは多彩。また、同社は「日本乳がんピンクリボン運動」のオフィシャルサポーターとなっており、ワーク女子力ブランドの対象商品の売り上げの1%を寄付する。 池田リーダーは「物流の現場で働く女性たちの座談会も開きたい」と話しており、今後、物流業界で働く女性向けの商品開発を一層強化していく方針だ。 【写真=「ワーク女子力」をPRする山本多絵子・プロジェクトサブリーダー(左)と大沢麻美・ユニフォーム担当】