新潟輸送、先物「コメ」長期保存 品質保持 市場拡大を見据え
物流企業
2017/01/16 0:00
新潟輸送(高野洋一社長、新潟市江南区)は、大阪堂島商品取引所が2016年10月から取り扱いを始めた日本米の代表ブランド「新潟コシ」を長期保存し、先物取引商品の品質保持に貢献する。既に保管契約を交わしており、最初の受け入れは6月22日を予定。今後の市場拡大を見据え、亀田製菓の物流子会社として長年培ってきた輸送・保管のノウハウを生かし、荷主を強力にサポートしていく。 同取引所は国内で唯一、コメを上場商品として扱っており、コシヒカリ関係の「大阪コメ」と、業務用米中心の「東京コメ」を取引している。同取引所の取引環境を更に魅力的なものにするため、市場ニーズが高く、生産量も多い「新潟コシ」を昨年10月から取引商品に加えた。 銘柄は新潟県産コシヒカリのみ。取引開始から終了までの期限については、東京コメと大阪コメは半年だが、新潟コシは生産者や業者が先物取引による価格変動リスクを抑えられるよう1年とした。最低取引は25俵(1.5トン)で、大阪コメ(3トン)、東京コメ(12トン)よりも小口単位 新潟輸送は新たな設備投資をせず、米菓原料を保存する新潟支店京ヶ瀬低温倉庫(敷地面積4650平方メートル)の空きスペースを活用し、新潟コシを保管。運送も含めて最適なサービスを提供する。 同社では「普段からコメを扱っているので、品質保持や安全対策には自信がある。温度・湿度の管理徹底、荷崩れ防止用のシートやパレット使用など、様々な技術を駆使し、長期保存を可能にした。事業拡大のビジネスチャンスと捉え、全力で推進する。今はまだ小さい取引だが、県内からも取引に参加する人が増え始めている。ボリュームの大きい市場になって欲しい」と期待している。(渡辺耕太郎) 【写真=温度・湿度の管理徹底、荷崩れ防止用のシートやパレット使用などで、長期保存が可能】