ヒカリグループ、施設リニューアル促進 人材確保に経営資源集中
物流企業
2017/01/12 0:00
ヒカリ産業(長田和明社長、岡山市東区)を中核とするヒカリグループ(長田義光代表)は、人材確保・育成に経営資源を集中的に投じていく。M&A(合併・買収)に前向きに対応する一方、企業のイメージ向上にも注力。人材を確保することで事業規模を更に拡大し、将来的には上場企業との提携も視野に入れている。(江藤和博) 人材確保の一環として力を入れているのが、営業所の新設・改装だ。4月の操業開始を目指し、津山市と岡山県鏡野町にまたがる津山産業・流通センターに、ヒカリ産業の津山営業所を新築中。また、光津営業所(同区)も建て替えており、4月中旬の稼働後に事業を拡大する。更に、グループのフレッシュ物流(長田義光社長、広島県三原市)やハップ(同、岡山市東区)の大阪府の拠点などの改装も計画している。 長田グループ代表(66)は「とにかく人材確保に尽きる。人材がいなければ新しい仕事も獲得できない。古びて手狭な建物をリニューアルし、従業員が自慢できる職場になるよう環境を整備していく。また、協力会社も乗務員不足に直面していることから、自社車両をここ1、2年の間に100台程度増車したい」と話す。 M&Aは、既に具体的な検討に入っている案件があるが、「今後も全国で良い案件があれば、関わっていきたい」と意欲を示す。 企業のイメージ向上にも余念が無い。10年ほど前からサッカーJリーグのファジアーノ岡山や、バレーボールVプレミアリーグ女子の岡山シーガールズのスポンサーを務めるほか、近はテレビCMの出稿量を増やしている。4月には、若い従業員に喜んでもらえるよう制服もリニューアルする予定だ。 また、自動販売機の総合管理を行うグループのヒカリエンタープライズ(長田社長、岡山市東区)では、チャリティー自販機を全国展開し、フィリピンのストリートチルドレンの学費支援など国際貢献を行っている。花見など地域の行事にも積極的に協賛しており、こうした社会貢献活動もPRし、人材確保につなげたい考えだ。 グループの従業員数はパート・アルバイトなどを含めて935人(2016年10月1日時点)。新卒採用では高卒者を毎年採用してきたが、大卒者にも力を入れる。一方で、高齢の従業員の受け皿確保にも注力しており、倉庫作業では70歳ぐらいまで雇用。乗務職は安全に配慮して継続雇用年齢を伸ばすのは難しいが、2トン車など負担の少ない仕事を用意している。 長田氏は「従業員の災害・死亡保険の保険金はこれまで、いったん会社が受け取り、勤続年数に応じて支給していたが、全額が家族に直接支払われるように変えた。また、乗務・作業職には年4回の賞与を支給している。利益が出れば、できる限り還元していきたい」と話す。 15年度のグループ売上高は100億1980万円。16年度も安定した業績を確保できる見通しだ。 長田氏は「今後は岡山市内に4万平方メートル規模の物流センターが欲しい。将来的にグループ売上高が200億円になれば、上場企業など大手との提携も考えていきたい」と前向きな姿勢を示す。 【写真=光津営業所はより快適な職場環境に(完成予想図)】