エスラインギフ、オート三輪車を復元 70周年 車検取り直し再塗装
物流企業
2017/01/12 0:00
エスラインギフ(山口嘉彦社長、岐阜県岐南町)は2016年末から、昭和時代に配送業務で使用していたオート三輪トラックを本社玄関前に展示している。長く保管されていた車両を復元したもので、設立70周年記念事業の一環となる。(星野誠) オート三輪トラックはマツダ製。排気量1980ccのLPG(液化石油ガス)仕様で、4段変速、最大積載量は2トン。1969(昭和44)年式車両で、主に愛知県一宮市内で反物など繊維製品の配送業務に使われていた。 山口社長は「オート三輪は、子供の頃によく見ていたので懐かしい。私が入社した1981(昭和56)年には、ほとんど役目を終えつつあったが、昭和40~50年代は集配の主力として活躍してくれた。運転していたドライバーたちの強い思い入れから、『廃車は惜しい』との声が多く、長い間この車両を大事に保管してきた」と明かす。 再び公道で走行できるよう、クラッチやブレーキなどを完全に補修し、車検を取り直した。車体も再塗装した上で、前身となる「岐阜トラック運輸」の社名と、井桁(いげた)に「T」のマークを入れ、往年の姿を忠実に再現した。 村瀬博三副社長は「月~金曜日の平日は常時展示しているが、年配者は『懐かしい』、若い人は『何これ?』と、反応が二つに分かれるのが面白い。話題提供のため、しばらくは展示を続けるので、多くの人に見ていただきたい」と強調。3月10日に70周年を迎える同社では、記念のプロモーションビデオにオート三輪の走行シーンを盛り込む予定で、今春をメドに自社ホームページ(HP)上に映像をアップする。 山口氏は「オート三輪が活躍した時代は、我が社が大きく発展を遂げた時期でもある。17年の年度目標には『70周年と感謝』を掲げているが、これも通過点にすぎない。80周年、90周年、そして100周年に向けて、未来永劫(えいごう)我が社が成長していけるよう、社員一同業務に取り組みたい」と話している。 【写真=オート三輪トラックに手を添える山口社長】