大阪推進会議発足、人材確保へ産官連携 セミナーや相談会展開
団体
2016/12/15 0:00
人材確保を必要とする業界の団体と、大阪府など行政機関が協力を図ることを目的に8日、大阪人材確保推進会議(新井純座長、副知事)が発足し、初会合を開いた。今後、イメージアップと雇用促進を柱に、行政機関と業界団体が主体となってセミナー、相談会、見学会、出前授業などの事業を展開。女性と若者の働き方改革と、労働力を必要とする業界の人材確保につなげる。(小菓史和) 運輸、製造、建設の各業界団体、府、近畿運輸局、大阪労働局、近畿経済産業局など計22の団体と企業で構成。運輸業からは大阪府トラック協会(辻卓史会長)が参画している。 議事に先立ち行われた発足式で、松井一郎知事は「運輸、製造、建設の各業界とも、きつい、汚い、危険の3Kと言われ続けてきた。行政と業界が協力してネガティブイメージを一新し、人材確保に努めていきたい。共に知恵を出し合っていこう」と呼び掛けた。 会合の冒頭、新井座長は「様々な機関が連携し、女性や若者が働き続けられる社会づくりを目指していく」と決意を表明。続いて、各団体から現状や課題について意見が出された。 大阪ト協の辻会長は、国内物流の9割をトラック輸送が担っている一方で、労働環境と給与水準の改善が急務である点を強調。「こうした課題の解決に向けては、業界の自助努力が基本だが、社会全体の問題と捉えてもらうことで、より良い方向性が見いだせればありがたい」と述べた。 近運局の若林陽介局長も、取引環境・労働時間改善大阪地方協議会(安部誠治座長、関西大学教授)の動きに触れ、「様々な団体が意見を交わすことで、気付かなかった問題点を発見できる。縁の下の力持ちである物流は、全体像が分かりにくい。子供たちが理解しやすいよう、府立高校などへの出前授業も検討していきたい」と意欲を示した。 最後に、辻氏が「女性や若者が、働くことに魅力を感じ、活躍できるよう、職場の環境整備と働き方改革を推し進めるとともに、業界の魅力を広く発信し、業界を支える人材を確保するために相互に連携して取り組む」とする行動宣言を朗読、満場一致で採択された。 【写真=イメージアップと雇用促進を柱に、行政機関と業界団体が主体となって事業を展開】